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蛇にピアス
金原ひとみ (著)
【集英社文庫】
税込400円
2006年6月
ISBN-4087460487
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
久々湊 恵美
評価:★★★★★
芥川賞受賞作品としてあまりにも有名な一冊。恥ずかしながら今回初めて読んだのでした。あまりに有名作品だと「そんな世間に流されないぜ!」なんてあまのじゃくになっちゃいます。そうしているうちに文庫版が。そんな方他にもいらっしゃいません?と同意を求めてみたりして。
で、この作品ですがもっとセクシャルぶっ飛んだものを思っていたので、意外と普通であったことにむしろ驚きました。もちろん、出てくる単語や行為などはみだらであるような印象もあるのですが。
主人公の、やっていることは過激であるのにどこか幼く、それでいて覚めている視点がそう思わせたのでしょうか。起こる事象について特に大きく感情を動かしていないような。この読み手も登場人物たちも突き放しているような文章。それがむしろ気持ちよく感じました。
だからなのかもしれないけれど、読んだあとしばらくしてからこの作品について感じるところが多かったのでした。
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松井 ゆかり
評価:★★★☆☆
時代遅れの人間で(もちろん痛いのも嫌で)ピアスというものには無縁の生活を送っている。ましてスプリットタンなど!
同じ著者の「アッシュベイビー」を読んだときに覚えた不快感は、この本ではさほど感じなかった。そのかわり容赦なく痛覚が刺激される。身体を傷つけることが快感だったり怒りが暴力に直結したりする感覚は理解するのが難しく、登場人物たちが刹那的な快楽の向こうに見ているのが深い絶望のような気がして気持ちが暗くなる。
この小説で金原さんがデビューされたのは20歳かそこらの頃だろう。現在の私の半分くらいの歳だ。長く生きてもこういう世界に無縁な人間もいれば、若くてもさまざまな経験をする人もいる。どちらがいいとも悪いとも言えない。ま、幸福の形は人それぞれだからな、とひとり納得する。
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西谷 昌子
評価:★★★★★
金原ひとみの小説は、彼女と同世代の人間に読まれているのだろうか? 彼女について語りたがるのはいつもおじさんたちであるように思う。私が知らないだけで若い女性に読まれているならそれでいいのだが、芥川賞を受賞したせいか、この作品はおじさんたちに読まれ、「よくわからない」と言われているように思う。この小説は若い女性に読んでほしいと切に思う。
主人公は幸せそうな母子連れに嫌悪感を覚え、「日の光の射さない場所」に居場所を求めたがる。身体を加工することで自分を別の場所へとシフトさせていく。男を愛しても、その男が自分の存在を救うことは決してないと本能的に知っている。だから彼女はどんどん存在が薄くなり、ものを食べなくなっていくのだと思う。自分の存在の拠り所がなく、これからも永遠にないのだと絶望的なまでに確信しているからだ。そんな絶望感を少しでも感じたことのある女性に、この作品を読んで欲しいと思う。
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島村 真理
評価:★★★★☆
身体を傷つけること。ピアスに刺青。その上舌を切っちゃうんですか?うーん、その気持ちよくわからない。
そういう私もささやかながら両耳たぶにピアス穴はあけてます。ピアッサーを手にしているとき父が言った「親から貰った身体に……」という言葉を今でもときどき思い出す。
パンクで見た目が怖そうな、でも優しいアマに影響され「スプリットタン」を施すルイ。その後背中に刺青まで入れちゃう。とどまるところを知らない。アマとのスィートなセックス、シバとのサディスティックなセックス。彼女は一体どうしたいのでしょう。読んでいると痛みと快楽がごちゃまぜで迫ってきて、頭がぐるぐるになってくる。
けれども、暴力団男をボコボコにするアマも、冷たい目で責めてくるシバもキライじゃない。そういう二人の男の間をゆらゆらと渡り歩くルイもキライじゃない。でも空虚なのだ。彼らの表面のすごさはよくわかるけど、本心がどこにあるのかよく見えてこない。これが今風なのでしょうか。キライじゃないけどそこのところよくわからない。
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浅谷 佳秀
評価:★★★★☆
19歳の作者の手になるこの作品は芥川賞をとり話題となったが、以後、巷ではやや不当に叩かれているようにも思う。その原因のひとつであろうと思われることが、当の芥川賞選考委員でもある作家・村上龍による解説において指摘されていてなるほどと思った。曰く「芥川賞という権威の衣をまとうことによって、この小説が持つ強烈な毒・魅力は教養というオブラートに包まれることになった」と。「教養というオブラート云々」なんてまでいうといささかオーバーな気もするが、確かに、権威という衣をまとった(まとわされた)一面はあり、このことは作品にとっては不幸なことに違いない。実際、芥川賞の権威を失墜させた、なんていう批評を私は多く目にした。でもそれは的外れな批判だ。芥川賞がこの作品に、要らざる権威を押し付けただけだ。
確かにまだ完成途上にある作品かもしれない。だが冷たい刃に露が流れるような美しさを湛えた作品だなあ、と思う。この短さ、シンプルさ。無理やり拡張されていくピアスの径に、痛々しい時の流れを重ねる乾いたリリシズム。私は好きだ。
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荒木 一人
評価:★☆☆☆☆
読後感は、突っ込みどころ満点!虚無感てんこ盛り!花村萬月風味小説。 第130回芥川賞作品。世間を騒がせ、物議を醸し出した例の回である。(ダブル受賞のもう一編は最年少受賞、「蹴りたい背中」:綿矢りさ) そこで、年齢・性別をなるべく忘れ読んでみるが……えぇ、これが、宮本輝が推奨し、村上龍が褒め称えた文章?? ちなみに石原慎太郎は酷評している(笑)。
著者が、二十歳と考えれば(始めと矛盾しているが)、立派なものなのかもねぇ。
主人公ルイは、大都会を流されるままに生きていた。クラブでスプリットタンを持つ蛇男のアマに惹かれる。アマに連れて行かれた肉体改造店のシバに出会い惹かれる。
基本的には、若い女性1人と男性2人の恋愛物語。一点だけみるべき所があるとすれば、肉体改造に至る背景を一切記さず、ルイの純愛を描こうとしている事だろうか。
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水野 裕明
評価:★★☆☆☆
作者が弱冠20歳ということや芥川賞受賞作品という文学賞的な興味よりも、どちらかというとスプリットタンはどのようにしてするのかとか、ピアスをするのはどういう気分?という興味というか、怖いもの見たさ的な感覚で読み始めたのだが、意外に読めた!といっても、ピアスの拡張に走るギャルや、スプリットタンという舌を蛇のようにカットしたり、タトゥーをした若者といった現代の風俗を切り取ってきたような世界に共感するとか、主人公である3人に好感を覚えるというのではなく、スプリットタンの方法やピアスの入れ方など、その世界を知らない人でもよくわかり、ストーリーもちょっとエロとグロが効いていてついつい読んでしまう、という感じでであった。ある意味、この作者は、この若さにしてオヤジや年寄りに読ませる術を心得ているのではないだろうか、というのは勘ぐりすぎだろうか……。
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