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ハピネス
嶽本 野ばら(著)
【小学館】
定価1365円(税込)
2006年7月
ISBN-4093861684
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
清水 裕美子
評価:★★☆☆☆
『デコラティヴながらも清楚で、キュートにしてノーヴルな異空間』そう、お洋服好きの乙女のための小説である。
わずか1週間の命となったロリータの彼女を持つ「彼氏」の物語。しかし彼氏を主人公に据えつつも、彼はあくまでもロリータの横に付き添うのにふさわしい王子様として。王子は、余命少ない心臓疾患の姫を抱くことなど出来ないナイーヴさが必須だから、バイアグラを投与されてまで仕事を強要される。だって「あと1週間で死んじゃったら・・・・・・」と空想に耽る乙女には、思い出のセックス&分かりのよい父母が必要だからー。悲しみを抱え、自転車で疾走する少年がなんだかなー、あんまりな設定に気持ちも荒れました。描写は見事にファッションのみ! それは徹底していて、ロリータに(たぶん)必須のマスカラについてまで省かれている。彼女の着替えにメイク時間が一切入っていないのだ。すごい。
読後感:映画『下妻物語』とは違ったので、ビックリ!
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島田 美里
評価:★★★★☆
ロリータファッションと聞くと、その独特の世界観になんとなく引いてしまう。そんな訳もあって、著者の作品を手にするのは初めてなのだが、なんと読んでいるうちに、過剰なロマンチックスタイルが素敵に思えてきたではないか!
余命いくばくもない女子高生と、そんな彼女を支える恋人の男子高校生との、密度の濃い7日間の物語だ。残り少ない人生を悔いのないように生きるため、彼女は「ロリータさん」デビュー宣言をする。なんで、ロリータに「さん」をつける必要があるんだ? 激甘のお菓子を口に放り込まれたみたいで、甘ったるさに頭が痛くなる。だけど、心臓の発作と戦いながらも、好きな人と好きな物に囲まれて、最後まで輝こうとする魂に甘ったるさはない。
繊細で壊れそうな印象のロリータファッションというデコレーションの内側には、強靱で美しい情熱があった。天まで突き抜けるようなまっすぐな愛に、何だか心を奪われて、ヒラヒラ、フリフリのスタイルが、天使みたいに思えて仕方なかった。
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松本 かおり
評価:★★★★☆
先天性心奇形のために医師から「余命約十日」と告げられた「彼女」は、ついに憧れの「完全武装のロリータさん」デビュー。私は「ロリータさん」を知らず、「クラシカルリボンジャンパースカート」や「トーションレース」といった「お洋服」用語も初耳。ロリからの連想で<萌え〜なオコチャマ恋愛モノ>かと思ったが違った。「ロリータ」じたいは、どうでもいいのだ。残り僅かの人生を完全燃焼すべく、彼女はたまたま自分の趣味のロリータに走っただけ。自分だったら何を遂げるのか、肝心なのはソコだった。
確実に死ぬとわかってから日々が切実に濃密になり、いろいろなものが美しく見え始め、生きる意味、死ぬ意味を問う話は珍しくない。しかし本書は、「彼女」とともに過ごす恋人「僕」に抑制が効いていて、ベタベタのお涙頂戴で終わらないところがいい。また、主人公の友人といったよくある脇役を省き、あくまで<彼女と僕>で勝負したのも正解。
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佐久間 素子
評価:★★★☆☆
余命わずかな17歳の女の子の、「残り一週間」のおはなし。心臓の冠動脈が急速に細くなるという彼女は、発作を薬でおさえる必要こそあれ、行動を制限されることはなく、楽しく毎日を過ごすことを選ぶ。ロリータデビューをはたし、憧れのブランドInnocent Worldでお買い物をし、資生堂パーラーの高級カレーを食べ、彼の家にお泊まりをする。あふれんばかりのお洋服への情熱や、言葉づかいや、価値観や、もう何もかもひっくるめて、おままごとみたいだ。ほとんど別世界の住人だ。それなのに、相容れるはずもない彼女のゆるぎない哲学が、私にはうらやましくてたまらない。信仰をもつ人が死に臨むときに持ちうる強さを、彼女が手にいれているから。そして、彼女が心底すごいのは、宗教という歴史にのっかることなく、自分の中に信じるに足るものを作りあげてしまったところだろう。どんなに拙くても、それはまぎれもない本物なのだ。乙女おそるべし。
普通の難病純愛ものとも読めないこともないが、その読み方はちょっともったいないかも。
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延命 ゆり子
評価:★★★☆☆
「私ね、後、一週間で死んじゃうの」
これは野ばら版セカチューである。チープでキッチュで、ゴスでロリで死。純愛と言えば確かにそうだが、ここまでベタベタな愛の物語を描く必要がどこにあったのだろう。使い古されている題材、主人公の男に都合のいいように転がる展開。もうすぐ死ぬ娘の両親が、死ぬ直前に娘を男と旅行に行かせる? ありえない。しかも男に感謝まで……殺意! それから素朴な疑問ですが、一週間で死ぬって、そんなに正確に死期がわかるものなの? 医学的にどうなのさ。
それでも野ばら信奉者にはたまらないだろうなとも思う。めくるめくお洋服やアクセサリーの描写。縦ロール、ヘッドドレス、パフスリーブ、オーバーニー、チュールレース……。むせかえるような乙女ぶり。少女漫画を具現化したようなキラキラな物語に、目をハートにしている少女も多かろう。これは野ばらファンに向けた野ばらファンのための小説なのだ。部外者は読む資格がないのかも。いちげんさんお断り。どうも失礼致しました。
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新冨 麻衣子
評価:★★★☆☆
「私ね、後、一週間で死んじゃうの」
そう告げた恋人は、憧れつつも踏み込めなかったロリータ完全武装で主人公の前に立つ。こころの整理はつかないまま、残りの一週間は思うままに生きたい、そんな彼女の願いを叶えようと努力する「僕」……。
これは……野ばら版「セカチュー」? 小学館は誰かが死ぬ小説じゃないと出版したくないのかしら、なんて嫌みのひとつも言いたくなるところだ。
でもそこは野ばらワールド。「若くて美しい少女の死」というのが、野ばら作品の根底にある甘美さとまったく矛盾しない。そして今の日本では手垢がつきまくった「恋人の死」というある意味難しいテーマにこの上ないほどストレートに挑みながら、ロリータ精神とそのストイックさがそのテーマに負けず劣らす張り合ってるんですねー。安易に読者の感情をあおることなく、むしろ乾いた距離を持って最後の一週間が描かれる。あふれる感情を、ぎりぎりまで押し込んでる。だからこそ切ない。
こんだけ手垢のついたテーマを選ぶならば、せめてこのくらいの力量は欲しいなと思うよ。
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