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【文庫本班】2006年11月の課題図書
オウエンのために祈りを (上・下)
ジョン・アーヴィング (著)
【新潮文庫】
税込 各900円
2006年10月
ISBN-4102273107
ISBN-4102273115
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久々湊 恵美
評価:★★☆☆☆
生まれたときからすでに背負っている、宿命であるとか運命であるとか。日常ふとしたときに感じる、この抗う事ができない状態を端々に感じました。
キリスト教に関する宗教的意義のエピソードが多いため、最初は読むのに苦労しました。信じる、ということの意味は汲み取れたものの、全てを理解するのは難しかったかも。
上巻の少年時代のエピソードがかわいらしくって好きだったなあ。少しだけ前の古きよきアメリカっぽい素朴な感じが好印象で。ただ、どうも母親の死に関する事柄がよくわからない。そのまま親友なの?
下巻に入り、ベトナム戦争がクローズアップされてきたところで、ついていけなくなった印象。
どうもその運命に向かっていく姿勢に共感できなくってしまっていて、それは運命なのか強引な思い込みなのか。
どっちなんだろうって気がしてきてしまって。
素敵だなあと思う部分とそれは理解を超えますという部分が共存している印象でした。
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松井 ゆかり
評価:★★★★★
読み始めてすぐは、物語を覆ういびつな空気に戸惑いを覚えるかもしれない。そのいびつさは、主人公ジョン・ホイールライトの親友オウエン・ミーニーがいわゆる障害者だからではなく、たとえばオウエンを抱え上げて次々にパスする遊びであるとか、オウエンが年齢の割におそろしく大人びていることとか、オウエンが打ったファウルボールがジョンの母親の命を奪ったこととか、つまりそういった事柄の数々によるものである。
にもかかわらず、ジョンとオウエンは生涯の親友であり続ける。この小説には皮肉や批判や揶揄も数多く存在するが、同時に純粋な混じりけのない温かさによって全編が貫かれてもいる。ジョンは母親から溢れんばかりの愛情を受けて育ち、オウエンは両親から必要な愛情を受けずに育った。それでもふたりは固い友情で結ばれ、オウエンは肉親からは与えられなかったものを得たのだ。人間はどんな境遇に育っても幸せになれるチャンスがあるということを、この本に教えられた。
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西谷 昌子
評価:★★★★★
ジョン・アーヴィングの文章の素晴らしさは、醜さと清らかさが渾然一体となっているところだと思う。自らの醜いところと良いところの間で常に揺らいでいるような様子に心を打たれる。
主人公の親友、オウエンは生まれながらに人より小さく、変わった声をしていて、揺るぎない信仰を持っていた。対する主人公は年を取っても信仰を持ったり持たなかったりと揺らいでいる。神を信じ、自分は神の道具だとするオウエンに対する、憧憬の入り混じった複雑な気持ち。彼にとってオウエンの姿は、こうありたいというひとつの願いであったのかもしれない。だが同時に、それと相反する気持ちも抱いている。オウエンの奇跡はばかげているという気持ち、自分は永遠に彼のような奇跡は起こせないという気持ち。読んでいてただただ胸に迫ってくる。
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島村 真理
評価:★★★★★
オウエン・ミーニーとはどんな人物か?5歳児くらいの身長にびっくりするような声を持っている、たぶん、ひと目見たら忘れられないくらい印象的な子で、このジョン・ホイールライトの親友は見た目が奇異なだけでなく、知的で大いに魅力あふれているのです。まるでドラえもんのようにジョンを助けるし、かかわる誰もが注意をむけるし(いい意味でも悪い意味でも)、相手がそうせざるを得ない何かを持っている。太ゴシックで表記される彼の言葉は、目を離すことができないし、それは彼の使命に関することだけではないと思います。
謎がひもとかれるラスト。達成感にも似た満足と、悲しみで涙があふれました。すべてがこのために!という必然は、もしかして本当にあるのかもしれません。
グレイヴズエンドのすばらしい田舎町とそこの人々と積み重ねられた時間が、彼らを作り出したということをひしひしと感じます。死という悲しみも含みながら。そして、オウエン・ミーニーという奇跡を感じながら。
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浅谷 佳秀
評価:★★★★☆
この本を読むのはまるで登山だった。霧の中、だらだらと続く石ころだらけのくねくねした道を難渋しながら1歩1歩登ってゆく。ようやく頂上にたどり着くと、とたんに風が霧を払う。いきなり眼下に広がる景色――そう、この息の長い物語の圧倒的なクライマックスは最後の最後にくる。一見馬鹿馬鹿しくて無意味と思えるエピソードがそのクライマックスへの見事な伏線になっている。だからこの本を手に取った読者の方、ややもすると途中で冗長な感じがして投げ出したくなるかもしれないけれど、ぐっとこらえて最後まで読んでください。きっと報われます。そして泣けます。
アーヴィングの他の作品同様、この作品にも、アイロニー、暴力と死、そして祈りといった要素がぎっちり詰まっている。主人公で語り手のジョンの親友で、この物語全体の鍵を握るオウエンが、天才的な頭脳と強固な倫理観の主でありながら、グロテスクな声と肉体を持つトリックスター的存在として描かれているのも、実にアーヴィング的。
自分が打ったファウルボールが親友ジョンの母親の命を奪い、清廉と信じたケネディ大統領はスキャンダルにまみれて無残に暗殺され、ベトナムでは戦争が起こる。苦悩と幻滅の中で、自分が「いつ、どのように死ぬか」を天啓によって知り、そこから「どのように生きるべきか」を導き出して見事に実践したオウエン。彼によって信仰へと導かれたジョン。この本を読んだ私の魂も揺さぶられた。
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荒木 一人
評価:★★★☆☆
神の啓示か? 悪魔の寓話か? 不思議な世界観で、独特の世を書ききろうとした物語。人間とは、かくも強く、優しく、愚かしいのか。最後は、号泣してしまう。
オウエン・ミーニーはとにかく小さく、軽かった。一度聞いたら忘れられない著しく耳につく裏声。皆に好かれ、「神と直接語る能力」を持っていた、オウエン。
ぼく、ジョニー・ホイールライトが十一歳のときに悲劇は起きた。リトルリーグのゲームで、オウエンが珍しくバットにボールを当てた。そのファールボールが、ぼくの母の後頭部を直撃し、大好きな母はあっけなく亡くなる。
人は何故生まれ、死んでいくのか。生に何の意味があるのか。答えを出せない問いを、人は問い続ける。宗教が日常にとけ込んでいる人が少ない日本人には、分かりにくい部分もあるかも。アーヴィング作の福音書に織り込まれた「しるし」を注意深くひも解きながら、秋の夜長にじっくり読んでみたい。
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