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しかし、私はこの本を読んで見目麗しい安土城の姿をしっかりと心の中で描きあげることができた。 なにしろ、安土城の柱となった木を選ぶところからじっくりとかかわったからである。 「かならずやれ!」無理難題を次から次へと投げかける織田信長、その願いを見事にかたちにしたのが岡部又右衛門と以俊親子だ。 「打てばひびく大工を探しておった。わしに仕えよ」と信長にほれ込まれた大工だ。 はたしてこの又右衛門の職人の心意気がなんとも魅力的だった。 木に、石に、心をそわせて仕事をすすめる。 なにごとにも面白がって取り組み、そして不可能と思えることを可能にする。 そしてそんな匠の生き方を見て、多くの職人たちがついてくる。 いや〜すごい人がいたもんだ。 数々の修羅場をくぐりぬけ、城完成間近に柱の根元を切り取る荒業の場面では息を呑んだ。 最後まで息つく暇を与えないほどの迫力の一冊。
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