10月16日(金)
『夢幻の街 歌舞伎町ホストクラブの50年』石井光太(KADOKAWA)読了。色物を見る目で読み出した(そういう部分もかなり満足させられるが)自分を恥じたいくらい、素晴らしいノンフィクションだった。
歌舞伎町のホストクラブの歴史と成り立ちを、老舗ホストクラブ「愛本店」とその創始者愛田武氏を中心に紐解き、ホストクラブにはいったいどんな人々が集まり、そしてどんな思いで営まれているのか──お金と欲望が極端にまみえる場所であるけれど、そのお金や欲望を産み出すコンプレックスというのは多かれ少なかれ誰でも持ってるものであり、自分の暮らしや会社でもこれを薄めたものが毎日起こっているわけで、それに気づいた瞬間、さらに夢中になって読み進んでしまった。
一生足を踏み入れることのない世界を知り、そして自分の足元を照らす。これぞ、ノンフィクションを読む醍醐味であろう。大満足のノンフィクションだった。
本日は日暮里まで歩いて帰る。神保町で『寿町のひとびと』山田清機(朝日新聞出版)を、千駄木の往来堂書店さんで、『エクソダス アメリカ国境の狂気と祈り』村山祐介(新潮社)と『酒ともやしと横になる私』スズキナオ(シカク出版)を購入。
おもしろそうなノンフィクションが出すぎで、本屋さんに行くのが怖くなってきた。