« 2021年4月 | 2021年5月 | 2021年6月 »

5月20日(木)

  • 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ(1) (モーニング KC)
  • 『定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ(1) (モーニング KC)』
    吉本 浩二
    講談社
    704円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    HMV&BOOKS
    honto
  • 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ(2) (モーニング KC)
  • 『定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ(2) (モーニング KC)』
    吉本 浩二
    講談社
    715円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    HMV&BOOKS
    honto

 8時半出社。電車は通常通り。といってももはやコロナ前がどれくらいの混雑具合だったのか忘れてしまったのだけれど、まあまあの混みよう。

 会社に着くと、昨夜のうちに刷りだされたらしい『社史・本の雑誌』に掲載される浜田、松村、私の花の97年同期入社三人組座談会のゲラが机の上に置かれており、まずは一心不乱に手を入れる。

 ちょうどそれを終えた頃、編集の高野が出社してきたので真っ赤になったゲラを戻すと、その他もろもろの確認を頼まれる。

 お昼に家で握ってきたおにぎりを食べていると、事務の浜田から「小遣い2万円生活ですね!」と声をかけられる。そうなのだった。私が今いちばんハマっている漫画『定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ』吉本浩二(モーニングKC)を浜田に貸したところ、浜田もズッポリハマってしまったのだった。

「私はですね、あの中で外飲みはお金がかかるからって家を居酒屋風に改造するのがあるじゃないですか? あれを真似て、我が家を立ち飲み居酒屋風に模様替えしたんですよ」

 とニンマリしているが、それは小遣い2万円とは関係なく、ただただ酒を飲みたいだけなのではなかろうか。

 午後、なぜかお声掛けいただいた大野勢太郎さんの配信ラジオ「海賊チャンネル」の電話収録。勢太郎さんから「杉江さんの声と話し方は、Jリーグの村井チェアマンが疲れてきたときにそっくり」と言われるも、村井チェアマンの話し方がわからず、とっさに「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」ができなかったのが痛恨の極み。華麗なる静太郎さんのスルーパスをゴールに決められなかったと収録後、激しく落ち込む。

 その後、7月刊行の鈴木輝一郎『印税稼いで三十年』の著者校と修正ゲラの付け合せ。「ママ」と修正を間違えないようじっくり確認しているとかなり疲労を覚える。自分ひとりでは心配なので、明日アルバイトの鈴木先輩に出社してもらいダブルチェックすることにする。

 小雨降る中、傘をさして上野まで歩く。

 週5日出社した場合、帰りに上野まで歩く(30分)のが2日、日暮里まで歩く(1時間)のが2日、王子(1時間40分)もしくは赤羽(2時間20分)まで歩くのが1日という日課というか週課になっている。出先から直帰する場合も5つくらい手前の駅で降り、歩いて帰宅する。

 もはや歩くために出社しているといっても過言ではないのだが、しかし私は地形や暗渠といったブラタモリ的なウンチクにはまったく興味がないのだった。

 ただただ車のタイヤがアスファルトを走る音や自転車のブレーキがきしむ音といった雑踏のノイズを聞きながらすれ違う人の雰囲気を味わい、そうやって歩くことによって移り変わっていく街の景色を全身で感じるのが好きなのだ。

 さらに何か一生懸命考えているようで、しかし実際何も考えてないような、人はたくさん周りにいるのに誰も知らない孤独な感じというのもたまらく愛しい。だから同じ道を何度歩いても楽しいし、どこを歩いても楽しいのだった。

 週3、40キロのランニングも続けているのだけれど、ランニングとはまた違った楽しさが散歩にはある。

5月17日(月)

  • 南極探検とペンギン
  • 『南極探検とペンギン』
    ロイド・スペンサー・デイヴィス,夏目大
    青土社
    3,080円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    HMV&BOOKS
    honto
  • 日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年
  • 『日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年』
    田口俊樹
    本の雑誌社
    1,760円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    HMV&BOOKS
    honto

 電車、結構混んでいる。が、たまたま目の前の席が空き座れたのだが、次の駅でマタニティマークをつけた人が乗ってきたので席を譲る。浦和レッズが調子いいとどんどん人に優しくなれる。

 週末に読み終えたロイド・スペンサー・デイヴィス『南極探検とペンギン』(青土社)が、思わずスタンディングオベーションしてしまうほど面白かった。

 ナンセンやアムンゼンやスコットやシャクルトンなど極地探検の英雄が、まるで極地版「噂の真相」のごとく人間臭く記され、それと同時にスコット探検隊のメンバーであり、ひょんな経緯で世界初のペンギン学者になってしまったジョージ・マレー・レビックという歴史の中で埋もれてしまった人とその人がわざわざ暗号をつかって隠したペンギンの生態が解き明かされていく。

 各章のはじめに、同性愛、離婚、不倫、強姦、売春とあり、なんじゃこりゃ?と思ってたのだが、それはすべてペンギンのすることだった。ペンギンめっちゃおもしろいではないか、と夢中になって読んでしまった。

 8時半出社。早速、昨日、読売新聞書評面で宮部みゆきさんより紹介いただいた『日々翻訳ざんげ』の販促チラシを作り、書店さんへメールやFAX送信。

 その後、7月刊行予定の鈴木輝一郎『印税稼いで三十年』の著者校が戻ってきたので、確認の上、デザイナーさんに送付。

 そうこうしていると『日々翻訳ざんげ』の追加注文がばたばたと入りだし、午後は直納へ向かう。

5月12日(水)

  • 南極探検とペンギン
  • 『南極探検とペンギン』
    ロイド・スペンサー・デイヴィス,夏目大
    青土社
    3,080円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    HMV&BOOKS
    honto

 緊急事態宣言延長となるもあまりに混雑の変わらぬ電車に揺られ出社。会社に着くと編集の高野が『社史 本の雑誌』の編集作業の追い込みで目を三角にしていたのでそっとしておく。

 デスクワークに勤しんでいると本の雑誌OBにして書評家の吉田伸子さんからメールが届く。先日とある相談事を受け対応したのだがその御礼。

 そのメールを最後の部分になんとも自然な感じで最近読んで面白かった本の話が書かれており、まさしくこの面白い本を読んだときに黙っていられずおすすめしたいというのが、本の雑誌イズムなんだろうなあと思わず笑ってしまう。

 なぜなら私も今朝ほど現在私が読んでいるロイド・スペンサー・デイヴィス『南極探検とペンギン』(青土社)が、椎名さんにぴったりなのではないかと報告したところだったからだ。

 搬入した「本の雑誌」6月号が、なぜか定期部数分届かなかったと連絡をくださった本屋さんに不足分を直納。大層感謝されるがこちらの方こそ連絡いただけたことに感謝す。

 毎日、夕方になると、今日できなかったことを、特にコロナ前に比べて考えてしまうのだけれど、そうしているとどんどんうつむき加減になって足取りが重くなってしまうので、どうにかそれを今日できたことに目を向けようと努力する。

5月7日(金)

 またもや深夜2時半に目覚める。昨日寝たのは11時半だったから、もしやこれはやはり仕事とコロナの中出勤することの重圧で精神が異常をきたしているのかもしれない。

 うとうとしているとここのところよく見る悪夢を見る。それは家の中にこれまで発見されるのことのなかった謎の部屋が見つかり、扉を開けてみるとそこはなんと四方どころか部屋のそこかしこに本棚が並ぶ書庫なのだった。これで今部屋に山積みになっている本をきちんと分類し、背表紙を眺めることができるぞと感動興奮して喜んでいるところ目が覚め、実際にはそんな隠し書庫はどこにもなくうなだれるのであった。

 今日見た書庫の夢は新バージョンで、本棚を整理していたところ、なんと二重になっている本をどかしたらその棚の奥が空白になっていて素晴らしく広い隠し部屋が発見される...という展開だった。どちらにしても目覚めた時にはそんな部屋はなく、がっくり感はハンパないのであった。

 電車は今日も少し空白がある。緊急事態宣言によるもなのかそれともいまだ連休中なのかは来週の月曜日にわかるだろう。

 9時に出社。すぐにZoomをつかって座談会を収録。11時に終了。
 本日は、「本の雑誌」の定期購読者様分のツメツメハリハリ作業のため、その後は一心不乱にラベル貼りと封入作業に勤しむ。

 以前は助っ人アルバイトが行っていたこの作業も新型コロナ感染拡大により社員(浜田、高野、杉江)で勤しむようになり早13ヶ月。なによりも「本の雑誌」をきちんと毎月刊行できていることに感謝する。

 夕方5時に封入作業を終え、その後は発売がずれ込んでいる本の雑誌創刊45周年記念刊行の『社史 本の雑誌』の資料などを改めてパソコンから掘り起こす。懐かしの写真や文章が大量に見つかり、今更ながら編集担当の高野に渡す。

 6時半に終業。雨のため、秋葉原まで歩いて京浜東北線に揺られ帰宅。

5月6日(木)

  • 愛猿記 (中公文庫 し 15-18)
  • 『愛猿記 (中公文庫 し 15-18)』
    子母澤 寛
    中央公論新社
    968円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    HMV&BOOKS
    honto

 深夜2時半に目覚める。やはり会社の始まりとコロナの中出勤することの重圧で精神が高ぶってしまっているのだと思ったが、思い返せば昨夜寝たのが8時半だった。すでに6時間爆睡していたらしい。

 緊急事態宣言によるのかそれともまだ連休中なのかわからないけれど、若干空白のある通勤電車の中より、「本の雑誌」の特集案をメッセンジャーでグループ送信。しばらくすると各自よりさらなるアイデアや執筆者の推薦があり、あっという間に台割が埋まる。会議ってなんだったんだろうなあ。

 9時に出社。昨日リハビリで出社していたためすんなりと仕事に入れる。午前中、集中して原稿を読む。

 午後、高野秀行さん小林渡さんとZoomを繋いで、辺境チャンネルの打ち合わせ。そののち、内澤旬子さんと電話。先日読んだ子母澤寛『愛猿記』(中公文庫)がすこぶる面白かったので、ヤギとイノシシと暮らす内澤さんにおすすめする。

 その後もひたすら原稿を読み、18時退社。クールダウンを兼ね上野まで歩き、京浜東北線に乗って帰宅。

5月5日(水)

  • 南極探検とペンギン
  • 『南極探検とペンギン』
    ロイド・スペンサー・デイヴィス,夏目大
    青土社
    3,080円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    HMV&BOOKS
    honto
  • 絶望死 労働者階級の命を奪う「病」
  • 『絶望死 労働者階級の命を奪う「病」』
    ニコラス・D・クリストフ,シェリル・ウーダン,村田 綾子
    朝日新聞出版
    2,200円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    HMV&BOOKS
    honto

 風強く雨も降りそうなのでランニングをあきらめ、リハビリを兼ねて会社へ行くことにする。

 ゴールデンウィーク前に目黒さんと連絡をとっていたときに「本の雑誌社はいつまで休みなの?」と聞かれ、「暦通りですよ」と答えたら、「ええええ! 11連休じゃないの?!」とたいそう驚かれたのだった。

 その時はなんでそんなに驚くんだろうとこちらが驚き返したほどだったのだが、そういえば本の雑誌社は年末年始とゴールデンウィークは9連休とか10連休とかしっかり取るのが伝統というか決まりだったのではなかったか。

 コロナのおかげでテレワークが増え、もはや休みなのか仕事なのか判明つかぬ日が一年も続き、しかもメールはもちろんメッセンジャーやLINE等のチャットでどんどん連絡もあるので、コロナとスマホは人類から休暇というものを奪ったのではなかろうか。そういえば私、去年の夏休みも取っていないのだ。

 10時に出社。ここで半日、FAXやら郵便物やら諸々の処理をしておくと明日の始業がまるで違うのだった。

 12時半に終業。3度めの緊急事態宣言の休業要請により古本屋さんがほとんどシャッターを下ろしている中、東京堂書店さん、三省堂書店神保町本店さん、丸善お茶の水店さんを回遊し、4日ぶりの神保町を堪能。

『南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態』ロイド・スペンサー・デイヴィス(青土社)と『絶望死 労働者階級の命を奪う「病」』ニコラス・D・クリストフ/シェリル・ウーダン(朝日新聞出版)を購入。

 上野まで歩き、上野駅で立ちそばを食べ、帰宅。ルヴァンカップグループステージ第5節柏レイソル戦で、移籍してきたばかりの期待のユンカーがいきなりの先発という報を受け、あわててFODプレミアムの初回2週間無料トライアルを申し込む。

 そしてユンカーがいきなりのゴール。iPadで頭並べて見ていた息子と屋根裏部屋で雄叫びをあげる。そのあと3度悲鳴をあげた後、なんとロスタイムで2度絶叫し、大興奮の90分が終わる。

 夜、娘のバイト先へ迎えに行きつつ、81歳の母親への母の日のプレゼントを購入する。浦和レッズのレプリカユニフォーム。もう一度優勝するまで長生きすべしと願いを込める。

« 2021年4月 | 2021年5月 | 2021年6月 »