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6月7日(月)

  • 本の雑誌457号2021年7月号
  • 『本の雑誌457号2021年7月号』
    本の雑誌編集部
    本の雑誌社
    734円(税込)
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 7月刊行の鈴木輝一郎『印税稼いで三十年』の再校ゲラを読みながら8時半に出社。電車の中が一番集中してゲラや本を読めるので、できれば私のテレワークは山手線を日々周回し続けるというのでどうだろうか。

 週末の間に戻ってきていた6月刊行の『10代のための読書地図』の著者校を整理し、9時に出社してきた編集の高野に渡す。10代の人に本と出会って欲しいと静かな熱に包まれたこの本は、多くの人に届いて欲しいとこちらも静かな熱に包まれている。編集の高野と装幀やらもろもろ打ち合わせ。

 その後、念願かなって導入されたカラーコピー機を利用して、45周年フェア用の帯を出力。プリントしたものをカッターで丁寧に切っていると、ネットニュースの記者の方から「本の雑誌」7月号のツイートが反響を呼んでいるようでと取材を受ける。「笑って許して 誤植ザ・ワールド」という特集をなぜ思いついたのですか?と問われるも、思いついたものは思いついたわけで、そこに深い意味や理由はないのだが、苦労して答える。

 午後、その「本の雑誌」7月号の定期購読者分が納入となる。いつもより到着が3時間ほど遅れたので、ここから一心不乱にツメツメ作業に勤しむ。まさしく機械のように最短距離で手を動かし無駄を省き猛烈な勢いで「本の雑誌」を封入していくと、事務の浜田がぽつりと漏らす。

「杉江さんと私はいつだってこういう作業するところには再就職できますよね」

 確かに私と浜田は驚くほどこの手の作業が得意だ。シール貼り、切手貼り、袋詰......何度も何度もいろんな会社が下請けしますと営業してきたけれど、我々以上に早い作業員もいるはずもなく、そして私達はこの手の仕事が大好きなので常に断ってきたのだ。

 むむむ、ならば逆に私達が神保町の出版社からこれらを請け負って仕事にすればいいのではなかろう。浜田にそう伝えると、そっちの方が儲かっちゃったりしたらどうしますかと笑うのであった。

 そんな無駄口を叩いている間も手を休めることはなく、過去最短時間でツメツメを終える。ツメツメがオリンピックの正式種目になった際には、おそらく私と浜田は日本代表に選ばれ、メダルを獲得すること間違いなし。

 ツメツメを終えた頃にやってきた浜本と一ヶ月ぶり以上に顔を合わせるも旧交を温める間もなく、早速巻頭グラビアに登場願った小石川のPebbles Booksさんに持っていく。写真では一部の棚しかお見せできなかったが、本当にこのお店の品揃えはすごい。子供から大人まで、本好きから今日はじめて本を買う人まで、しっかり受け止めてくれる店作りなのだ。こういう本屋さんが近所にあったらいったいどんな暮らしになるのだろうか。

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