11月1日(月)菅豊『鷹将軍と鶴の味噌汁』(講談社選書メチエ)がめちゃんこおもしろかった
ランニングをしているとたくさんの鳥と出会う。
といっても私は鳥に詳しいわけではなく、見分けられるのはスズメとオナガとカワセミ、それとシラサギ、アオサギ、カモの仲間くらいなんだけど、そういった鳥たちを見かけたときに、これ簡単に獲れそうだけれどだれか獲って食べないのだろうか? もちろん今は獲っていい時期や場所、獲っていい鳥も決まっているのだけれど、ならばそういった法律ができる前は獲って食べていたのだろうか? でもサギなんて美味くないのか? なんてことを疑問に思いつつ、息を切らせてランニングを続けていたのだった。
そんなところに書店の棚で菅豊『鷹将軍と鶴の味噌汁』(講談社選書メチエ)を見つけ読みだしたところ、これがめちゃんこおもしろかった。無知の私にはほとんど全ページがワンダー(驚き)の連続で、かつて特に江戸時代はツルも含めて野鳥をたくさん食べていたし、鳥料理が献上物の一つとしてその料理作法まで決まっていたなんてまったく知らなかった。
30年以上かけて過去の文献を紐解くことで、ここまで面白いノンフィクションが書けることにも驚いた。まさしく書評家・東えりかさんがいう「鳥ノンフィクションにハズレなし!」なのだった。
昨日一昨日と神保町ブックフリマという、神保町ブックフェスティバルがコロナで中止なのは寂しすぎると白水社の営業Kさんとはじめたイベントを開催していたので、本日は休日なしの連続勤務8日目にあたるのだけれど、たくさん本が売れた満足感に浸りつつ出社。
それにしてもイベントという非日常ではあれほど本が売れるのに、日常ではさっぱりな感じなのはそれだけ本が非日常の存在になってしまったということなのだろうか。できるかぎり日常で本が売れるといいのだけれど、本を売ろうとあくせくするとそこからどんどん離れていってしまうことに激しいジレンマに陥る。