2月21日(月)
Jリーグが始まり、暗黒の月曜日も始まる。
そんななか、龍岡歩『サッカー店長の戦術入門』(光文社新書)読了。これまでいくら戦術本を読んでも高校の基礎解析の教科書くらい理解できず、もはやサッカー戦術本は私にとって「Newton」の相対性理論特集化していたのだ。しかしこの『サッカー店長の戦術入門』は、そんな戦術偏差値48の私にもサッカーの戦術がめちゃくちゃくっきりはっきり理解でき、なるほどなるほどと相槌と膝を打ちまくる一冊だった。膝を打つだけでなく、この10年くらいサッカーで一番知りたかったことがすべて書かれており、ゾクゾクし過ぎて熱を計ろかと思ったほどだ。
まだ2月だけど、そしてジェームス・モンタギュー『ULTRAS 世界最凶のゴール裏ジャーニー』(カンゼン)という破壊的サッカー本があるのだけれど、2022年サッカー本大賞最有力。
電車は少し空いてるようなそうでもないような中、9時前に出社。
まずは刊行待ち望まれている『その出版社、凶暴につき』の改稿に改稿に改稿を重ねられた原稿の感想を著者である田代さんにメール。すぐに電話があり、諸々お話。また一歩刊行に近づいたはず。
そうこうしているうちに宅急便で内澤旬子さんから次の単行本で使うイラストが届く。思わず撫でたくなるようなカヨたち(ヤギ)のイラストに感無量。いい本になりますなとほくほくしつつデザイナーさんに連絡。
またまたそうこうしているうちに、明日搬入の大竹聡『ずぶ六の四季』の社内納入分が製本所より届く。装画牧野伊三夫さん、装丁松本孝一さんのおかげで涙がこみあげるほど素晴らしい本に仕上がる。
興奮を鎮めた後、夏前刊行目標の古書現世・向井透史さんの『早稲田古本屋劇場日記(仮)』の原稿整理に励む。
コロナが始まってから2年、こうしてなぜか営業なのに本ばかり作っているのだが(毎号雑誌の特集も考えている)、常に私は日本中の本屋さんを廻って書店員さんと話し、少しでも本が売れるようにしたいと願っているのだった。
しかしコロナによって、思うように、自由に動けない、人と会うことに緊張と不安を抱えざるえない。そんな日々に心底嫌気がさし、そして鬱屈するストレスを、走ることと歩くことでどうにか緩和しているのだけれど、そうするとどんどん健康的になっていくもので、誰も私がそんな憂いと屈託を抱えていることを知らないのだった。
思う存分、心置きなく、人と会い、話し、本を売りたいのだが、果たしてそんな日は帰ってくるのかしら。