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3月22日(火)

 5時起床。予報通りの寒の戻り。そして雨。

 昨日の夜、父親からかかってきた電話を思い出す。それは本日、父親は3度めのワクチン接種だったのだが、雨と雪の予報を前に接種会場である病院へどういったらいいのかという相談だった。晴れていれば自転車で10分もかからずでたどり着ける場所なのだが、雨か雪が降れば運転免許を返納した父親は歩いていくかタクシーでいくしかない。

 父親はどうやら私に車で送ってほしかったらしく、「お前、明日忙しいよな?」と電話してきたのだった。今から思えば不安を抱えた父親からの何でもない電話だったのだが、なんだかその物言いに苛立ちを覚え、厳しく対応してしまったのだった。

 あの怒りはどこから芽生えたのだろうか。甘えられるのが嫌だったのだろうか。このまま甘えられ、底なしのように頼られるのが怖かったのだろうか。自分は散々親に甘えて生きてきたくせに、いざ逆の立場になったらこうして突き放してしまうのか。様々な感情が湧いては消え、本を読む気にもなれない。

 窓についた水滴を指で拭い外を見れば、細い雨が降っている。テレビでは午後から雪になると言っており、昨日「タクシーで行けばいいじゃん」と言って電話を切ったものの、父親はタクシーを呼ぶだろうか。

 8時45分出社。

 注文書を1枚作った後、市ヶ谷の日本図書普及さんへ訪問。「図書カード3万円お買い物」の打ち合わせ。

 一旦会社に戻り、すぐに築地の朝日新聞社へ。『ずぶ六の四季』の大竹聡さんの著者インタビューに立ち会う。

 夜、有楽町の駅のホームで、寒さに震えながら父親のことを思う。

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