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4月14日(木)

 昨日の夏ような陽気から一転、しとしとと雨が降り出し肌寒い。

 Twitterのトレンドワードに「気圧のせい」と出ており、私も加齢とともに気圧の変化に弱くなっているようで、猛烈に頭が痛くなり、心も鬱々としてくる。

 湯島の「出発点」さんに「本の雑誌」を納品した後、息も絶え絶えで営業。ふらふらとなって帰宅する。ご飯も食べず本も読まずに寝込む。こんな日もあるのか...。

(4)

中野雄一(博報堂)の回想

 あの頃の自分は出版プロモーションの仕事について15年くらいたってて、だんだん既存の本の売り方に限界を感じ始めてました。もう、告知すれば本が売れる時代ではなくなってきてて。だんだん自分が出版界に貢献している実感が薄れてきている危機感もありました。まだSNSは拡がっていなかったですしね。

 それで、「WEB本の雑誌」の運営に関わったりいろいろするなかで、この業界は実は書店員さんの持つポテンシャリティがすごいし、もっともっと活かせるんじゃないかと気が付き始めたんです。こんなに、店員さんが商品に対して愛着があったり、自由裁量がある業種はなかなかないと思いました。

 なにか良い方法はないのかと思って、当時bk1の安藤さんとも親しくしてたので、話を聞いてもらったり、全米図書賞など調べてみたり、そうしたなかで、一つの本をいろんな書店員さんたちのPOPで取り囲むことができたら、それを見るだけで楽しいし、絶対買う気になると。現場ひとりひとりの力を全部集めたらとんでもないパワーになるのでは?と思いはじめてました。そんなことができないかと、杉江さん、内田さん、志藤さんに飲み会の席で話したんでした。

 そうしたら、杉江さんから「実は書店員たちで決めるような賞ができたらね、なんて話があるんですよ」とその場で言われて、それまでぼんやりと考えていたこととピッタリイメージが重なった。

 普通はそういうのって酒飲み話で終わっちゃうんだけど、なぜかこれだけは「これは絶対できるるし、自分たちがやらなくても、いずれ誰かがやりそうだな、だったらさっさと始めよう」と思って翌日杉江さんに電話しました。

 その後、目黒(考二)さんにも相談したら、「君たちこれはぜったいやったほうがいいよ」と、言ってくれたのがとても励みになりました。あの、憧れの目黒さんが認めてくれるなら間違がってないんだろうなと。

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