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4月3日(月)

 午前中、オンラインで座談会を収録。それを終えてから出社する。街中には着慣れぬスーツ姿の新入社員をたくさん見かけるも、本の雑誌社は今年も新卒採用なし。

 机の上に郵便局から速達が届いており、なんで郵便局?と開封すると、私宛の郵便物がびりびりに破け、テープで止めて同封されていたのであった。輸送途中に破損してしまったが受け取ってほしいとのこと。いやはや封筒が破れたくらいならなんでもないが、中の本がひしゃげるほど破壊されており、これはさすがに受け取れない。郵便局に電話。週初めから暗黒星雲が立ち込める。

 午後、横丁カフェでお世話になっていたさわや書店イオンタウン釜石店の坂嶋竜さんが来社。実は顔を合わせるのは初めてだったので諸々長話。ミステリーの評論も手掛けている坂嶋さんは現在、杉江松恋さんのYouTubeチャンネル「ほんとなぞ」でも活躍しているのだった。

 丸善丸の内本店さんにフェアの追加注文分を納品。このフェアの前に立つとどうしても涙があふれてしまう。

 若干残業して帰宅しようとすると、編集の前田君が雑居ビルの階段を駆け降りてきて、振り返り様に「サンマルクカフェに財布を忘れてきました!」と一目で真っ青なのがわかる表情で駆け出していく。

 これまで神保町で過ごした10年の間であんなに全力疾走する人間をこの街で見たことがない。まるで「太陽にほえろ!」の撮影をしているかのようだ。

 ただし、前田君のランニングフォームは上半身と下半身がバラバラで残念ながら木之元亮扮するロッキーに追われている犯人役のほう。

 その後の経過が気になり、私も山さんに扮して、サンマルクカフェに向かうと、ブラインドの向こうで深々と頭を下げる前田君がおり、どうやら財布はあったらしい。

 これにて一件落着ということで、「太陽にほえろ!」のエンディングテーマを口ずさみながら帰路につく。

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