4月9日(日)
喪服を買いに行く。その後、母、妻とともに父親にお線香をあげにいく。
実家の玄関ポーチのタイルがなんだな薄汚れていることに気づく。幼き頃から休日になるたび父親が掃除している姿を見たものだった。
これからは俺がすべしと周りを見渡せば、すぐそこに掃除道具セットがまとめて吊るされていた。デッキブラシに手を伸ばした瞬間涙が止まらなくなる。
デッキブラシ、箒、チリトリをひとつにまとめて吊るすためにS字金具が取り付けられ、さらにそれぞれの柄には針金つけ、しかも怪我しないよう上手に巻きつけている。この几帳面さこそわが父親なのだった。
軒先に座って、工具箱からペンチや針金だし、一生懸命細工している姿がありありと思い浮かぶ。
ひたすらデッキブラシでタイルを磨き、ピカピカにする。