« 前のページ | 次のページ »

1月3日(水)低気圧に苦しむ

  • ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)
  • 『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)』
    帚木蓬生
    朝日新聞出版
    1,430円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    HMV&BOOKS
    honto
  • 極東のシマフクロウ ――世界一大きなフクロウを探して (単行本 --)
  • 『極東のシマフクロウ ――世界一大きなフクロウを探して (単行本 --)』
    ジョナサン・C・スラート,大沢 章子
    筑摩書房
    3,300円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    HMV&BOOKS
    honto

6時起床。息子が去年まで所属していた高校のサッカー部の初蹴りに行くというので見送る。

朝食をとりながら新聞を読む。帚木蓬生さんのインタビュー「答えを急がない力」を切り抜く。

著書にもある『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』(朝日選書)の話。

「ネガティブ・ケイパビリティ」とは 「『答えの出ない事態に耐える力』」のことで、「世の中は明確な答えのある問題ばかりではありません。むしろ人間社会は、解決できない問題の方が何倍も多いのではないですか。先が見えず、どうしようもない不安に耐えながら、熟慮する。答えが出なくても問題に挑み続ける力こそ、ネガティブ・ケイパビリティです」とあり、私が一番必要としている能力なのだった。

決断が早いのが私の長所であると思うのだけどそれは短所でもあり、なぜ決断が早いのかといえば、少なからずこの「ネガティブ・ケイパビリティ」という能力が不足しているからなのだった。

宙ぶらりんの問題というのがとにかく耐えられず、一分一秒でも早く解決(したことに)したいという欲求が強烈にある。

その影響か、すぐ「敵と味方」で考える癖もあり、こちらは明らかに短所であり、友人のワタルさんから気をつけるよう再三指摘されているのだった。

去年から高野秀行さんを見習い、意識して取り組んでいる「正しさを求めない」というのもまさしく「ネガティブ・ケイパビリティ」に通じるものであるだろう。横丁カフェに掲載していた丸善お茶の水店の沢田さんの書評も再読し、購書始めの一冊が決まる。

10時に娘をアルバイト先に送り、そのまま妻とイオンへ。退院後実家で暮らす母親用にリモコン付き照明を購入する。

昼は冷凍食品の味噌ラーメンを食べて、読書の続き。

ジョナサン・C・スラート『極東のシマフクロウ 世界一大きなフクロウを探して』(筑摩書房)を読了。

生物学者というのはすごいもんだ。ほとんどの人が見たこともなければ興味もないシマフクロウのために、母国アメリカとはある意味対局にあるロシアの地まででかけていくのだ。

しかもそこは時には吹雪でホワイトアウトして方角もわからなくなる恐るべき地であり、そんな中を車やスノーモービルやスキーで移動し、シマフクロウを探す。

シマフクロウを探すといったってそこらにバタバタと飛んでいるわけではなく、とにかく耳をすませて「ホーホー」と他のフクロウよりずっと低い鳴き声を聴き取るのだ。

そうしてシマフクロウの存在を確かめたら、今度は凍る川を乗り越え(ときに踏み外し)、巣にしている木を見つける。そこにはコスパもダイパもなく、とにかくシマフクロウのことを知りたいという欲求と熱意があり、その生態がわかれば、どこをどう保全すればよいのか提案できるわけで、そうしてシマフクロウの命は横暴な人間社会の中で紡がれていく。

帯にある「科学的探究×荒野の冒険×クセ強ロシア人」というのがまさしくこの本の面白さを端的に伝えている。

低気圧のせいかランニングにも行く気にもならず、19時に娘を迎えに行くとすぐに布団に入り、YouTube「atossinternational」チャンネルの「田中一郎のギターアッパーカット2」の西山毅さんの回を見ながら就寝。

« 前のページ | 次のページ »