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2月11日(日)爪を切る

左手が不自由なため右手の爪が切れない母親の爪を切る。親指の爪が異様に固く、切るのに難儀する。

人の爪を切るのは娘や息子が小さかった頃以来である。子供たちの爪はいったいいつまで切っていたのだろうか。そして私はいつまで親に爪を切ってもらっていたのだろうか。

小野寺史宜『うたう』(祥伝社)読了。

装丁や帯の印象と異なり、これはバンド〈後〉小説であり、恋愛小説であるのだった。

恋愛という最大のコミニケーションのなかのささやかなやりとりがとてもいい。里奈と知哉のカレーの話とか綾葉と正道の就職の話とか。

また後悔と感謝の小説でもあった。小野寺史宜やっぱりいい。

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