4月25日(木)ベストセラー作家
晴天。一気に気温上がる。午前中、『日記から 50人、50の「その時」』の校正を終えたゲラと自分が確認したゲラを照合していく。脳がヘトヘトになる。
午後、営業にでかける。初夏のよう。
池井戸潤『俺たちの箱根駅伝』(文藝春秋)読了。
実は初めて池井戸潤の作品を読んだのだけれど、そりゃあ売れるよなと納得する。
まず読者を飽きさせない工夫が随所に光っている。『俺たちの箱根駅伝』では、登場人物のほとんどに対立する相手を配し、この二人いったいこのあとどうなるの? どっちが成功するの? とあの人もこの人も気になって、まさしくページをめくる手が止まらなくなるのだった。
次に設定だ。学生連合という一緒に走るけれども記録には残らないチームを主役に配し、さらにそこに一流企業から突然監督がやってくるなんて、もう興味をひかないわけがないのである。
さらに凄いところは箱根駅伝を走るランナーだけでなく、伝える側のテレビ局をもうひとつの舞台するのだった。スポーツ報道とは何か? 視聴率との戦いの中、テレビ局の裏側と葛藤も描かれるのだ。
そしてなんと言ってもみんな大好きな「箱根駅伝」なのだ。これが最強のエンターテインメントにならずに何になるのだというくらいエンタメのてんこ盛りなのだった。
そういう構成だけでなく、やっぱり唸るような文章表現もあって(特に走ってるところ)、ベストセラー作家というのはベストセラー作家になる理由があるのだ。