12月28日(土)正月の予定
朝、母親を介護施設へ迎えに行く前に暖房をつけに実家へ立ち寄ると、社務所を掃除に行く町内会長とすれ違う。
挨拶を交わすと、「今日から年末年始はお母さんも帰ってくるのか?」と聞かれる。
介護施設から帰ってきた母親のところに遊びにきた友達たちは、さかんにお正月の話をしている。
母親の友達は、母親が正月に自宅にいることをまったく疑う様子もなく、お節をもってくるからなどと話している。
先週まで今日は何日だったっけ?と日にちも曜日も完全に忘却の彼方だった母親も、なぜに今週はあと四日でお正月なんて頭がクリアになっている。
しかし、私は年末年始、母親を施設に預け放しにすることを選んだのだった。
もちろん悩んだ。母親も大晦日や正月は自宅で過ごしたいだろうと。ただ、そうすると私の年末年始はほとんど母親の介護で終わってしまうのだ。
今年の一月半ばから週末実家介護生活を始め、私自身の本当の意味での休みというのは祝日くらいだった。ただしその祝日も本のイベントなどでずいぶん出社していた。いったい休みは何日あったのだろうかと手帳をめくりそうになってやめた。
これ以上自分を犠牲にするのに耐えきれず、年末年始は母親を預け放しにするスケジュールを介護施設に提出したのだった。
私は何か悪いことをしているのだろうか──心が暗黒に引きずり込まれているところに、とある作家さんからメッセージが届いた。
昨夜からちょっとしたやりとりをしていたのだけれど、そこには「杉江さんが困ったときには私も必ず助けたいと思ってます。」と記されていた。
続いて色校を送っていたカメラマンさんからはこんなメールが入る。
「今回、編集部の皆さまが1冊にまとめてくださって、そこに参加することができて、本当に嬉しく幸せな時間でした。」
さらに元本の雑誌社助っ人アルバイトで、現在出版社経営しているS君からは、「「本の雑誌」を2025年1月号から定期購読させていただきたい」と連絡があった。
私の人生は、本当に幸せだ。
全部、本のおかげだ。