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3月10日(月)お通夜


母親を迎えの車に預け、週末実家介護から解き放たれ、春日部から出社。

すぐに『酒を主食とする人々』の在庫を確認し、重版を決める。

午後、「本の雑誌」4月号が出来上がってきたので、駒込のBOOKS青いカバさんに納品にあがる。

夜、練馬高野台の東高野会館で相澤さんのお通夜に参列する。大きな式場だったにも関わらずすぐに参列者でいっぱいとなり、階段に列ができ、一階の控室まで焼香を待つ人々で埋め尽くされていた。

相澤さんは『絶景本棚2』に収録されている地下1階10畳を壁面すべて本棚にした書庫を持つ蔵書家で、「長いものを読まなければダメです」と『大菩薩峠』を2度読み、毎年ひとりの作家の個人全集も読破するという読書人でもあった。

いちばん好きなのは川崎長太郎で、酒を飲んでは長太郎の作品論を語っていたものだ。相澤さんを中心に、「本の雑誌」で長太郎特集をしようとしていた矢先に体調を崩されてしまい実現できなかったのがたいへんな後悔のひとつだ。

私の紹介で相澤さんと親しくなり、編集仕事を請け負っていたAISAの渡さんと秋津の酒場で献杯。思い出話に杯を重ね、渡さんと駅のホームで別れ、武蔵野線に乗ったところで、涙が止まらなくなってしまう。

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