6月23日(月)チェックアウト
ホテルをチェックアウトしようとすると、窓を叩く土砂降りの雨が降り出す。雨雲レーダーを確認すると京都上空は真っ赤になっていた。どこかしらから雷鳴も聞こえてくる。しばらくロビーで新聞を読んで待機する。
出張の間は昼飯を食べない。集中力が切れるのと時間がもったいないのだった。
だからホテル選びは朝食が豊かなところだ。朝ごはん命なのだ。
京都はこの2月に高野秀行さんと泊まったホテルが、高野さんが20年の付き合いで初めて褒めてくれるほどの立派な朝食だった。そのホテルに今回も泊まったのだが、朝食のビュッフェで湯葉入りの茶碗蒸しをお盆に乗せていると、同様に茶碗蒸しを手にしたお婆さんがひそひそ声で話かけてきたのだ。
「お兄ちゃん、このホテルの朝食すごいよね」
おばあさん、だから私は京都はこの宿と決めているのですよ。
ちなみに出張の夜は、コンビニの弁当を食べるのが楽しみなのだった。外食よりも、ひとり気楽にホテルで開放された気分でつつくコンビニ飯は最高だ。
10時を過ぎて、雨脚が弱くなったので、傘を出して外に出る。今日は書店さんを廻って、午後は京都に完全移住した永江朗さんと新連載の打ち合わせなのだった。
6時にすべてを終えて、新幹線に乗車する。
今回も「生きててよかった」と思える出張だった。