11月15日(土)薄情もの
週末実家介護のため、朝8時に家を出て、介護施設に向かう。母親は介護施設の人たちと「また月曜日にくるよ」といって手を合わせるが、車に乗るときには「はあ、やっと家に帰れる」とつぶやく。どちらが本心なのか、いや両方本心なのだろう。
庭の梅の木を見境もなく切っていると、売り地となった隣の家の境界を測っていた工事の人に声をかけられる。本日は境界線の確認をする日なのだった。
ブロック塀と赤い十字の書かれた印を見ながらそれが間違っていないか確認していく。そう言われてもブロック塀を建てたのは50年以上前なのでよくわからない。ひとまず問題もなく書類にハンコを押して終える。
続いて母親のお医者さんがきて、月に2回の診察を受ける。前回来た時に採った血液検査の結果が出、まったく問題のない健康体だそう。お医者さん曰く、「あと15年は生きられる(100歳まで)」とお墨付きをいただくが、それは勘弁してほしい。
先日お会いした出版社の人は、お母さんの介護を自宅で10年以上続け、どんどんお母さんがかわいくなってたまらなかったと言っていた。
確かに私も介護をはじめて母親をかわいいと思う瞬間がないわけではないのだが、だからと言って長生きしてほしいとはつゆとも思わない。正直に言えば明日の朝、突然亡くなっても問題ないというか、数パーセントあるいは十数パーセントそれを心の内で願っているような気もする。
介護などしているが、私は相当な薄情ものなのだ。





