担当=牧眞司

9人の作家による9人のサイボーグの物語~石ノ森章太郎原作『サイボーグ009トリビュート』
2024年7月23日11:50

【今週はこれを読め! SF編】

9人の作家による9人のサイボーグの物語~石ノ森章太郎原作『サイボーグ009トリビュート』
 石ノ森章太郎『サイボーグ009』は1964年に連載開始。のちに単行本化、アニメ化された。ちりばめられたSFガジェットの数々、シリアスなテーマ、そしてキャラクタ...
本棚の前に佇んで、あるいは立ちすくんで〜『幻想と怪奇 不思議な本棚 ショートショート・カーニヴァル』
2024年7月17日11:43

【今週はこれを読め! SF編】

本棚の前に佇んで、あるいは立ちすくんで〜『幻想と怪奇 不思議な本棚 ショートショート・カーニヴァル』
『幻想と怪奇』は雑誌体裁だが、出版流通区分は単行本であり、コラム類が充実したアンソロジーというのが実質だ。通常は通し号数がついていて現在15巻にまで達している。...
諧謔味に満ちたイギリス侵攻小説〜P・G・ウッドハウス『スウープ!』
2024年7月9日11:13

【今週はこれを読め! SF編】

諧謔味に満ちたイギリス侵攻小説〜P・G・ウッドハウス『スウープ!』
 ウッドハウスはイギリス文学界のユーモア王。ネジがゆるい紳士バーティーと切れ者の執事ジーヴスとが繰りひろげるコメディ連作は、いまなお多くの読書家に親しまれつづけ...
悠久の叙事詩〜オラフ・ステープルドン『最後にして最初の人類』
2024年7月2日13:39

【今週はこれを読め! SF編】

悠久の叙事詩〜オラフ・ステープルドン『最後にして最初の人類』
 第二次大戦前におけるSFの最重要作家を数えるなら、H・G・ウエルズの次にステープルドンの名をあげなければならない。世代的にはウエルズが1866年生まれ、ステー...
改変歴史のエジプトで魔術的事件を追う女たち~P・ジェリ・クラーク『精霊を統べる者』
2024年6月25日11:00

【今週はこれを読め! SF編】

改変歴史のエジプトで魔術的事件を追う女たち~P・ジェリ・クラーク『精霊を統べる者』
 作者P・ジェリ・クラークは歴史学の専門家で、コネチカット大学で助教授を務めるかたわら、小説を執筆している。本書『精霊を統べる者』は第一長篇で、ネビュラ賞、ロー...
特殊設定のロジックと交錯する感情〜芦沢央『魂婚心中』
2024年6月19日11:59

【今週はこれを読め! SF編】

特殊設定のロジックと交錯する感情〜芦沢央『魂婚心中』
 ミステリの領域で大活躍している芦沢央の、SFとしてははじめての短篇集。六篇を収録している。  表題作「魂婚心中」では、廃れた風習であったはずの死後結婚が、マッ...
読書・翻訳・原稿・詩作・古書......五つの物語〜高野史緒『ビブリオフォリア・ラプソディ あるいは本と本の間の旅』
2024年6月11日12:01

【今週はこれを読め! SF編】

読書・翻訳・原稿・詩作・古書......五つの物語〜高野史緒『ビブリオフォリア・ラプソディ あるいは本と本の間の旅』
 高野史緒は、第六回日本ファンタジーノベル大賞に投じた歴史幻想小説『ムジカ・マキーナ』によって1995年デビュー、2012年にドストエフスキー作品に斬新な解釈を...
地球と人間についての脅威と希望~日本SF作家クラブ編『地球へのSF』
2024年6月4日11:50

【今週はこれを読め! SF編】

地球と人間についての脅威と希望~日本SF作家クラブ編『地球へのSF』
『ポストコロナのSF』『2084年のSF』『AIとSF』につづく、日本SF作家クラブ編の書き下ろしアンソロジー第4弾。先行する三冊にくらべ、『地球へのSF』とい...
気候変動と新自由主義がもたらす荒廃〜ジョナサン・ストラーン編『シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選』
2024年5月28日14:55

【今週はこれを読め! SF編】

気候変動と新自由主義がもたらす荒廃〜ジョナサン・ストラーン編『シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選』
 原書は2022年刊。パリパリの新作からなるオリジナル・アンソロジーだ。収録されているのは十作品。  副題にある「人新世」とは耳慣れない言葉だが、「人間の活動が...
ドタバタから詩情豊かな作品まで〜池澤春菜『わたしは孤独な星のように』
2024年5月21日11:55

【今週はこれを読め! SF編】

ドタバタから詩情豊かな作品まで〜池澤春菜『わたしは孤独な星のように』
 声優・書評家・エッセイスト......さまざまな表現の領域で活躍している池澤春菜の、小説家としての最初の著書。SF短篇七作品が収められている。 「糸は赤い、糸...