担当=牧眞司
- 2024年3月19日18:56
【今週はこれを読め! SF編】
静かな感動作? それとも不穏が募るイヤSF?~間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』- 第十一回ハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作。刊行に先だって〈SFマガジン〉に一挙掲載され、大きな反響を得た話題作である。 2123年10月1日、語り手のわた...
- 2024年3月12日11:55
【今週はこれを読め! SF編】
独創的なアイデア、謎の展開、青春の葛藤〜松樹凛『射手座の香る夏』- 第十二回創元SF短編賞を受賞した松樹凛のデビュー短篇集。四作品を収録している。 巻頭を飾るのは、その受賞作「射手座の香る夏」。SFのアイデアとしては一方に意...
- 2024年3月5日15:59
【今週はこれを読め! SF編】
高度成長期の日本にSNSがあったら~宮内悠介『国歌を作った男』- 宮内悠介の新しい短篇集。SF、ミステリ、純文学作品とさまざまな傾向の十三篇を収める。 「パニック――一九六五年のSNS」は、改変歴史SF。過去の時代を舞台に、...
- 2024年2月27日12:05
【今週はこれを読め! SF編】
降霊術、輪廻転生、死後の物語〜『幻想と怪奇15 霊魂の不滅 心霊小説傑作選』- 意欲的な企画で定評のある『幻想と怪奇』の最新刊。こんかいは心霊小説の特集だ。巻頭に「欧米心霊学略年譜(一八四八〜一九二六)」を掲げる。この期間が、心霊現象に対...
- 2024年2月20日11:55
【今週はこれを読め! SF編】
タペストリーのような質感の未来のお伽噺〜ラヴィ・ティドハー『ロボットの夢の都市』- ラヴィ・ティドハーは1976年生まれ、イスラエル出身でロンドン在住のSF作家。2000年代から短篇を発表していたが、とくに注目されるようになったのは2011年...
- 2024年2月13日11:52
【今週はこれを読め! SF編】
不死者の欲望と葛藤〜森口大地編訳『ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集』- 貴重なアンソロジー。1820〜30年代にドイツ語圏で書かれたヴァンパイア小説を集めている。なんともニッチに思える企画だが、ただの物好きではない。怪奇小説史のメ...
- 2024年2月6日12:05
【今週はこれを読め! SF編】
異知性とのコンタクトを描く近未来ハードSF〜林譲治『知能侵蝕 1』- 林譲治の長篇SFとしては『記憶汚染』以来、ひさかたぶりの近未来を舞台にした作品。 203X年の日本では、各分野でAI利用が進んでいるものの、AIではこなせな...
- 2024年1月23日11:35
【今週はこれを読め! SF編】
ヴィクトリア朝に舞うモンスター娘たち~シオドラ・ゴス『メアリ・ジキルと囚われのシャーロック・ホームズ』- 『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』『メアリ・ジキルと怪物淑女たちの欧州旅行』につづく、ヴィクトリア朝の時代を舞台にしたSFミステリ《アテナ・ク...
- 2024年1月16日12:05
【今週はこれを読め! SF編】
宇宙を超えて伝染する狂気~デイヴィッド・ウェリントン『妄想感染体』- デイヴィッド・ウェリントンは、2019年発表の『最後の宇宙飛行士』でアーサー・C・クラーク賞の候補となった。これは異質な存在とのファーストコンタクトを題材にし...
- 2024年1月10日11:36
【今週はこれを読め! SF編】
精神とブラックホールをつなげる大仕掛けのアイデア〜矢野アロウ『ホライズン・ゲート 事象の狩人』- 第十一回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。独自のアイデアがふんだんに投入され、かなり凝った設定の宇宙SFである。ただし、物語の一番の駆動力となるのはラブロマン...