やや足踏みですが、こういう日もある──『だいたい四国八十八ヶ所』だいたいこんな感じで売れてます日記
文=本の雑誌特派員
10:00 【開店】
初回100冊仕入れた『だいたい四国』だが、昨日までで既に45冊も売れて、予想以上に好調なのは結構だけれども、多面展開を維持しようとするとどうしても薄っぺらくなって貧弱な感が否めない。杉江氏にSOSを発信すると、「取り急ぎ午後、事務所にある分、持っていきます」とのことで、さすが「炎の営業」の名乗りは伊達ではない。
14:30 【昼飯】
午後の新刊チェックが終わって取り敢えず食事に出掛けたその直後、携帯にメールが着信。「只今、直納完了しました」って、ドンピシャのタイミングですれ違いぢゃんか。
まぁ、会えなかったからと言って何が問題な訳でもないのだが、折角なら「いやぁ売れてるよ!」「売れてますねぇ」などとお互いの健闘を讃えあい、ヨロコビを反芻してみたくもあったりしたのだが。
食事から戻ると真っ先に、納品されたての50冊をドーンと積み上げた。うむ、ボリューム感、満点。
19:30 【退社】
この時点でまだ3冊しかうれておらず、少々寂しい。過去の経験上、一日に17冊はマグレじゃ売れない。多少のデコボコはあっても最終的にはしっかり売れてくれるだろうと思ってはいるが、やはり思い入れの強い作品は毎日の売れ方に一喜一憂してしまう。
明日のメールを楽しみに待とう。
本日は公休日。そして、ワンダフル給料日! 取り敢えずメールをチェックしてみると、昨日の売れは4冊......。あまりワンダフルではない。作品の内容があっちへフラフラこっちへフラフラ寄り道や停滞を繰り返しているから、売れ行きもつられるということか?
ところでこの本、私は発売前の12月に一度ゲラで読ませて貰っていて、その時に「コレは宮田珠己さんの代表作になる!」と確信したが故の今回の返品OKキャンペーンだったのだけれど、実は発売直後、本当に上手くいくかどうかそこはかとなく不安になり、サイン本を頂いたこともあって、もう一度頭から読み返してみた。
すると、ゲラで読んだ時よりも遥かに面白かったのは一体どうした訳だろう? やはり発売前にゲラで読んでいる時は、展開の方法だのPOPの文句だのあれやこれやどうしても仕事モードになってしまうから、100%浸って楽しむのは難しいってことなんだろうか。だとしたら、世間様より一足早くゲラで読むのも良し悪しだな。
まぁ兎に角、二度読んでその面白さを再確認し、「やはり本書は、もっと広く知られていい本だ」との自信を深めた訳であり、「読んで後悔はさせないぞ」な訳である。