本をつなぐ(私案)  ―断捨離本セールー

文=本の雑誌特派員

☆本の雑誌2021年10月号「本をつなぐ-本は捨てるな読み継ごう-」(田口久美子)の企画書を一挙公開!


この企画は断捨離で本を手放さざるを得ない本好きと読み応えのある本をいつも探している本好きの「マッチングスペース」を目指しています。


書店のスケジュール


・故買商の認可をとる (所轄の警察署)2万円 ひと月ほどかかる
・予告をする

 まず専用コーナーとして書棚を用意する(既存の書棚を流用)書店規模に合わせて使用段数を決める(最低3段 ほぼ100冊、既存の書籍と決して混ざらないように)予告として専用棚の上にポスター(手書きOK)を貼る。専用書棚は、初めのころはお客さんの質問にすぐ答えられるようにカウンターの近くが望ましい。

文案例


大見出し「本をつなぐ」(単なる古本販売ではない、という意味を込めて)

中見出し「断捨離本セール」〇%off(予定) 

出品者募集中 貴方の家に断捨離せざるを得ない本がありますか。当店で引き取り、古本として新たな読者に向けて陳列・販売します。薄謝ですが、冊数に応じお礼として図書券を進呈いたします。詳しくは売場係員へ。

チラシも作成し、売場内数か所におく。

同時にSNSやツイッター等で出品者を募る。なじみの顧客に積極的に声をかける。友人・知人等にも声かけを。まず自分の手持ちの本を出してみるのも、いいかもしれない。 

*お礼としての図書カードは「経費の扱いにしたいので」つまり不要な本を譲っていただいて、お礼をしている、買取っているわけではない、ということです(他にいい案がありますか?)

販売までの流れ

■引取り

 一般の古書店のように「持ち込まれた本を選択し、必要な本のみ買取る」のではなく、持ち込み客と以下のような「譲渡書」をかわし、汚損本以外の本の譲渡を受ける。

文例)
甲(書店名)は乙(顧客名)より○月○日○冊の本を譲渡されました。甲は乙にお礼として図書カードを進呈いたします。  両者のサイン

そして、口頭ですべての本を陳列できない場合もある、と伝える(書類にいれたほうがいいと判断した場合はいれる)

*こうして書類で「所有権が書店」、となれば、販売するかしないかは明確に書店判断です。大抵の書店がこの企画について二の足を踏む原因のひとつは、政治的に偏った、例えば「嫌韓本」の類の本を持ち込まれたらどうする?ではないか、と友人から指摘を受けました。この契約で対処できると思います。つまり基本は汚損本以外どの本も引き受けてしまう、です。そして店のコンセプトに合わない本は陳列しない、です。でも大量にあったり、どうしても引き受けたくない、と思ったら、断りましょう。まさに店のコンセプトに合わない本は引き受けない、です。

■引取り価格

対象本の旧定価・税抜き1000円以上、一回の搬入冊数30冊以上、近隣客の設定なので持ち込みは手持ちが前提、送料着払いの配送等は不可
出品者へのお礼は以下の基準で(お礼の名目で図書カード)
基本は「旧定価×冊数×2%」 四捨五入して近似値が1000円、1500円、2000円等の図書カードを搬入時に手渡し。

例)税抜きです
〇(1600円×15冊+1550円×3冊+1300円×12冊)×2%=885円→図書カード1000円 
   
〇(1600円×18冊+1850円×16冊+2800円×7冊+3500円×9冊)×2%=2190円
   →図書カード2000円

■販売価格

古書店のように本の状態、内容等で値付けするのではなく、一律化し、アルバイトでもできるようにする。一般書籍の書店への平均値入率(78%)を参考値として、22%、+3%を出品者へのお礼等の手数料として上乗せ、合計旧定価の一律25%で販売。(1000円の本を250円で販売、税抜き)

陳列時の注意


1.裏表紙に印刷されているバーコードに黒マジックで斜線を必ず入れる(必須です)。
2.オビを裏返して下部に巻きなおし、新・販売価格と展示日を記入、販売時に必ず取る。
3.オビがない場合(もしくは、オビは不可欠と考えた場合、そのオビの上に)白紙をあて、新販売価格と展示日等を記入。

展示期間


 店舗状況に左右されるが、1月~3月~6月? それぞれの判断

問題点


いつまでも売れない本をどうするか?
1,再度値下げをする 2,店で廃棄、もしくは古本屋に売る。それぞれの判断



 以上が私の私案ですが、何人かの友人に読んでもらったところ、以下の指摘を受けました。


・持ち込み本の冊数制限が必要か?
・同じく価格の制限が必要か?(文庫もOKにしたら?)
・無制限に引き受けて、在庫を置ききれない場合は?
・「コンセプト」の意味が多様で、アルバイトには判断しづらい。
・引き受け価格(この場合は「お礼」)が高すぎる。
・販売価格が低すぎる。
・多数の本を持ち込まれた、「〇〇さんの本棚」というタイトルでコーナー化し、〇〇さんには棚づくりと値付けをまかせ、売上を双方で分ける、という方式をイベントとしてやったら?


等々です。ご参考にして頂ければ幸甚です。

(田口久美子)

« 前の記事本の雑誌特派員TOPバックナンバー