芥川賞・直木賞、10年ぶり4作受賞

文・写真=新文化編集部

芥川賞・直木賞、10年ぶり4作受賞
石沢氏は在住するドイツから、Zoomで記者会見
(提供:日本文学振興会)

7月14日、第165回「芥川龍之介賞」に石沢麻依「貝に続く場所にて」(「群像」6月号)と李琴峰「彼岸花が咲く島」(「文學界」3月号)、同「直木三十五賞」に佐藤究『テスカトリポカ』(KADOKAWA)と澤田瞳子『星落ちて、なお』(文藝春秋)が選ばれた。両賞の2作同時受賞は第144回(2010年下期)以来、10年ぶり。

石沢氏は自身も被災した「東日本大震災」をテーマとするデビュー作で受賞。「新人として破格の恵まれた状況」と語る一方、「同時に試されてもいる」と話した。

『テスカトリポカ』は第34回「山本周五郎賞」との2冠。麻薬戦争や児童の臓器売買を描いたクライムノベルである同書は、直木賞を与えて世に送り出すべきか否か、選考委員の間で大きな議論になったという。

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