●担当者●ジュンク堂書店池袋本店 福岡沙織

2012年4月19日更新

『マチルダは小さな大天才』ロアルド・ダール

 ここに、仲間がいるよ。覗いてごらん。ただし、大人には内緒。  ロアルド・ダールの著作は、そう言ってお子様に薦めたいものばかりだ。大人しそうな外見に反して、好奇心が滲み出て目がきらきら、光っている方に... 記事を見る »
2012年3月15日更新

『絵封筒をおくろう』きたむらさとし、松田素子

 おくる、気持ち。いま紡ぐなら、どう、繋いでいきますか?  小学4年、10歳。成人式明けに登校した。先生は言った。 「貴方たちはこの間、2分の1成人式を迎えました。今日は手紙を書きましょう。相手は10... 記事を見る »
2012年2月16日更新

『宇宙創世はじめの3分間』S・ワインバーグ

『宇宙創成はじめの3分間』、大興奮しました。大概、「何故、あれで!?」と驚かれます。私が感激屋だから。もちろん、大きな要因のひとつです。が、驚きの中身に「宇宙論に関する本で、なぜ興奮するのか。貴方には... 記事を見る »
2012年1月19日更新

『アッティラ!』籾山市太郎

にへっ。顔がゆるんで、しまらない。 読了後、気持ち良くなって、散歩してしまいました。 どこかにキャンピングカー、停まっていないかな。音楽が流れて来たらいいなぁ。演歌を流すなら、あの家。蛇が出てくるには... 記事を見る »
2011年12月22日更新

『焚書 World of Wonder』鴻池朋子

師匠も走る、12月。 慌ただしい月です。目の前の忙しさに囚われて、気持ちもひっぱられそうになります。 そんな時、ありませんか?どうやって、気持ちを保っていますか? 私は、ふと立ち止まるため、取り出す本... 記事を見る »
2011年11月24日更新

『夢十夜』夏目漱石

 職場の人たちが、たびたび口にする。「2011年も残り1ヶ月半だね。」と。  その度、私は訊いてしまう。 「やり残したこと、ありますか?」    私には、あります。とある作品を、紹介すること。  作... 記事を見る »
2011年10月20日更新

『25時のバカンス』市川春子

 わからない、だから好き。  理屈抜き、手放しでそう思える本はありますか?  万人受けはしないけれど、それでも、と薦めたくなるような一冊。  私にとって、市川春子作『25時のバカンス』(講談社)はそん... 記事を見る »
2011年9月15日更新

『世界制作の方法』ネルソン・グッドマン

読み終え、ほぅとため息がでた。 思い出した。読み応えがある本は、閉じた後、ため息が出るのだ。 今回紹介するのは『世界制作の方法』。 本書は著者ネルソン・グッドマンが、連続講義をするよう大学に招集された... 記事を見る »
2011年8月18日更新

『花よりも花の如く』成田美名子

 国立能楽堂には、漫画がある。  正確には、国立能楽堂内の図書閲覧室。そちらに置いてある漫画が、成田美名子作『花よりも花の如く』(白泉社)。能楽師の青年、榊原憲人の日々を描いた作品。  手に取った時、... 記事を見る »
2011年7月21日更新

『ARRIVAL アライバル』ショーン・タン

 ふるえた。 『ARRIVAL アライバル 』ショーン・タン著  一言もことばが出てこない、絵だけの絵本。とある、移民たちのはなし。  表紙を開いて、心奪われた。動けなかった。表紙裏に描かれてい... 記事を見る »
2011年6月23日更新

『僕は、そして僕たちはどう生きるか』梨木香歩

 5月。中学時代の同級生が死んだ。享年24歳。  会う度、私までつられて笑ってしまう、にかっとした笑顔の彼。  どうしてだろう。素晴らしい人ほどはやく、奪われていく。私は明け方眠り、仕事に行き、笑い、... 記事を見る »
2011年5月26日更新

『LIME WORKS』畠山直哉

 日常の景観、ずれた。もう1つ、眼を与えられたみたいに。ビル1つ、紙1枚、見る意識が違う。『LIME WORKS』は私にとって、挑戦状。君にそれが出来るかい?と、問われている気持ちになる。君は、こうし... 記事を見る »
ジュンク堂書店池袋本店 福岡沙織
ジュンク堂書店池袋本店 福岡沙織
1986年生。2009年、B1Fから9F、ビル1つすべて本屋のジュンク堂書店池袋店を、ぽかんと見上げ入社。雑誌担当3年目。ロアルド・ダール、夏目漱石、成田美名子、畠山直哉ファン。ミーハーです。座右の銘は七転び八起き。殻を被ったひよっこ、右往左往しながらも、本に携わって生きて死ねればそれで良いと思っています。