2月20日(火)

 本の雑誌社に行くと、『笹塚日記 ご隠居編』が本日取次に搬入と黒板に書かれていた。先週見本は貰っているのだが、改めて読んでいると奥から、「どうですか」と杉江がやってきた。今回の「ご隠居篇」には、日記に登場するいろいろな人にコメントをもらい、それが載っているのだが、なにも秘密に進行することもなかったのにと思う。そういう趣向であることを言ってもらえれば、あの人にも書いてもらいたいという人がまだまだいたのである。今さらこんなことを言っても遅いのだが。

 それにしても、みなさん、忙しいだろうに、こんな依頼をしてホントにすまない。先週土曜に松村の結婚パーティであった新潮社のT内は、「目黒さんをくさしたの、ぼくだけなんだって」と恐縮していたが、いいんだよ好きに書いて。新宿の床屋に寄ってから帰途。仕事場に戻ってくると電話。週刊文春のインタビュー依頼がいきますからねと浜田。『笹塚日記 ご隠居篇』を取り上げてくれるらしい。ありがたいことである。

 1ヵ月分のスケジュールを書き直すと、なんとこれからの4週間に外出するのが14回。毎週土日の競馬場出撃も外出と計算して足すと、合計が22回になる。もっともそのうち6回は3日間に集中しているから、実質の外出は19日。それでも28日間で19日とはすごい。この20年間でこんなに外出する月も初めて。新記録だ。今月はパーティ、打ち上げ飲み会、取材、収録、引き継ぎ打ち合わせ、座談会と、惑星直列のように繋がっている。これで締め切りはこなせるんだろうか。ま、なんとかなるか。

 ところで本日は無事に帰ってくることが出来た。実は先週、新宿に用事があって出かけたのだが、いざ帰る段になったら、京王線に乗ろうとしているのでびっくり。ぼんやりして歩いていると、体が笹塚に帰ろうとするのだ。改札を抜ける寸前に気がついて、あわてて小田急線のほうに戻ったが、なんだかなあ。

 きのうの睡眠時間が足りなかったのか、床屋でも眠ったまま。昔はいっさい話しかけてこなかったのに、最近は床屋のおやじがよく話しかけてくる。たいした話ではない。外は寒いの、とかなんとか、そんな類のことだが、今日は眠くて眠くて、返事も出来なかった。小田急線に乗ってもまだ眠く、あわてて町田で飛び下りたが、外に出ると寒いから目がぱっちり。おかげで本日分の仕事をこなすことが出来た。この仕事部屋も寒いので、滅多なことでは眠くならない。寒い部屋の効用といっていい。で、今日も特別何もなく、日が暮れるのである。