4月6日(金)

 きのうの本屋大賞のパーティは大混雑で、会場で会う予定だった編集者の方に会えず。ずっと以前に本の雑誌でアルバイトしていたH君と会場近くのラウンジで会う。彼も四十六歳になったという。遅い春がめぐってきて、H君はこの春めでたく結婚するのだ。お相手の方を紹介される。

 この日は、リチャード、モーガン『ブロークン・エンジェル』(アスペクト)の刊行記念打ち上げが青山一丁目の某レストランであり、というよりも本屋大賞が信濃町の明治記念館だったので、アスペクトのN氏が、明治記念館から移動に便利な青山一丁目の店にしてくれたのかもしれないが、そちらに急ぐ。

 その本の巻末に解説を書いた関係で、打ち上げの会に私も呼ばれたわけだが、訳者の田口俊樹氏とは競馬友達でもあるから、酒もおいしい。N氏の同僚と田口俊樹氏の昔の教え子も同席して、その店の2階でさまざまな話をしながらグラスを傾けていたら、ふと見ると、新潮社のT中N夫が立っている。「なんで、ここにいるんですか」「お前こそ、どうしてここにいるんだよ」。T中N夫は、ついさっきまで、明治記念館の本屋大賞のパーティにいたのである。いや、私もいたんだけど。でもその会場をあとにして、まったく別の店にきたから、まさかそこで旧知の人と会うとは思ってもいなかった。

 本屋大賞を受賞した佐藤多佳子さんを囲む会が、その店の1階で開かれていたとは知らなかった。T中N夫はトイレを探して、私たちの席のそばに迷い込み、それで時ならぬ遭遇をしたのだった。さっそく1階に降りていくと、佐藤多佳子さんがいて、筑摩書房のM田T夫氏や講談社のK氏、さらに多くの書店員氏らがいる。

 で、そちらの席について、佐藤多佳子さんが帰られてからも話し込み、おいしい酒を飲んだのだった。最近の小説について、某文学賞について、ああだこうだと話していると時間はあっという間に過ぎていって、とても楽しい夜だった。