5月7日(月)

 上橋菜穂子『精霊の守り人』の冒頭近くに、新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムについて、星読博士のシュガが「あれの性は水のはずだ」と呟くシーンがある。そうか、水なんだと途端にこの少年に親近感を持つ。というのは私、「火」なんだそうだ。だからいちばん相性のいいのは「水」で、このチャグムと私はとても相性がいいことになる。

 四柱推命は、生まれた年、月、日、時間によって、生まれながらの運勢を判断するものだが、年、月、日で運勢を占うのが算命学。いや、つい先日教えられたことをここに書いているだけだが。その算命学で占った私の運勢表をNさんから貰ったのである。

 Nさんは漢方薬の会社に勤務する人で、その社のPR誌にコラムを書いている関係で年に数回会う。これまでは笹塚を訪ねてくれたのだが、つい先日、わざわざ町田にきてくれた。で、喫茶店で会ったのだが、「目黒さんの運勢を占ってみました」とその表をくれたのである。

 説明を聞いてもよくわからないことが多く、わかったのは来年と再来年は天中殺に入るので引っ越しとか、そういうことはしないほうがいいということと、頑固なマイペース型であること、火を持っているので水を持っている人と相性がいい、という三点だった。

 不思議なのはその表には百二十歳までの運勢が載っていること。生きるのか百二十歳まで。たぶん、そういうことではないんだろうが、表の見方がまだよくわからない。

 昨年の春、盛岡のオーロパークに行ったとき、日曜の最終レースでT君が枠複5−8を当てたことを思い出す。8枠には人気馬が入っていたからわかるとしても、5枠は人気薄である。レースが終わってから、どうして5枠を買ったのか聞いてみると、競馬雑誌の占い欄に、T君のその週のラッキーカラーが黄色と書いてあったのだという。黄色というのは5枠なんですね。それでマイナスを一気に取り戻したんだから、いやはや。

 T君は普段、運勢欄はまったく見ない。たまたま最終レースまで負け続けて、すがる気持ちでその運勢欄を思い出したのだろう。信じる者は救われる、のである。年が明けてからT君は厄年に突入して、ずっと絶不調が続いている。厄年のときはギャンブルなどに勝たないほうがいいよと会うたびに慰めているのだが、本人は納得してない様子。いや、ホントなんだから。私の後輩に、たった2段の階段を踏み外して、顔から地面に激突し、歯を追って血だらけになった男がいるが、あれも彼の厄年だった。

 ところが私、厄年でもないのにずっと絶不調で、運勢表を手にNさんに聞いてしまった。「あの、競馬で勝つにはどうしたらいいのか、出てませんか」。冗談ではなく、真剣な質問だったのだが、「そういうのは」とNさんは困った表情だった。無理かそういうの。 まあ、チャグムと相性がいいことはわかったので、いいとしよう。2007年のゴールデンウィークは、こうして「守り人」シリーズ全10巻読了とともに終わったのである。