5月7日(水)

 6月末に仕事で某地に出かけるのだが、仕事が終わり次第、その日のうちに新幹線に乗ってもう一つの目的地に行くか、それともその日はその地で宿泊するか、それを決めたくて連休中に現地の知人にメールを出した。

 私を呼んでくれたのはその知人であり、彼に迷惑をかけてはいけない。ようするに彼の了承が得られれば、その日のうちに新幹線に乗って移動しようと思ったのだ。
 すると折り返し、彼からメールがきた。ずいぶん先の話をするのが好きだなあと彼は言うのだ。普通、6月末のことならば、6月中旬にならなければ話を具体化しないよ、と言うのである。で、こんなふうに書いてきた。 
 せっかちなのか、たんに予定を立てるのが好きなのか。計画が崩されることが怖いのか、対人関係に不安があるのか、すべて管理したいのか、思う通りに世の中を動かしたいのか(笑)、そのへんの深層心理、エッセイにでもしてください。

 そうかなあ。月末のことを中旬になってから決めるとは遅すぎるんじゃないの。それではホテルが満室になってしまいかねない。そうなのである。私が早く物事を決めるのは旅に関することだけだ。どのみち行くことが決まっているのなら、ホテルを押さえるのは早いほうがいいではないか。遅くする意味がなんにもない。
 私の知人に、そういう物事をなかなか決めないやつがいる。ただいまは地方都市に転勤中で、ときどき東京に遊びに来るのだが、日程が決まっているなら早くホテルを予約すればいいのに、いつもぎりぎりまでしないのである。何とかなりますよ、というのが彼の癖だ。いつだったか、府中近辺のホテルがどこにもとれず、結局新宿のマンガ喫茶で夜を明かしたことがある。何とかなってないぜ。

 ずいぶん前、突然菊花賞の指定がハガキ抽選に当たり(当時はその連絡が来るのが数日前だった)、あわててホテルを探したことがある。電話をかけたのは浜本で、私は見ていただけだが、淀から大阪に向かって1駅ごとに電話しまくったら、寝屋川という町のビジネスホテルで空室があった。それを今でも覚えているのは、「窓のない部屋にしますか、窓のある部屋にしますか」と尋ねられたことで、浜本が受話器を押さえて、「どっちにします?」と聞いてきたからだ。その設問があまりに斬新だったので、これは忘れがたい。後年、三重県の競馬友達にその話をしていたら、「そのホテル、ぼくも泊まったことあります!」と言われたから、直前予約の客には有名な宿だったのかも。

 つまり、そういうことがあるから、ホテルは早く予約しておいたほうがいいわけだ。私だって、普段のスケジュール表で決めるのは1ヵ月先までで、それ以上は決めていない。仕事はいつも1ヵ月先までしか決まってないから、書きたくても書くことがない、ということもあるけど。ところが旅行はずいぶん前から決まっているから、早く決められるのである。出来れば、新幹線の切符も早く買いたいところだが、1ヵ月前にならないと買えないのは不満。

 ところで、さっきのメールにあった「対人関係に不安」というのがどういう意味かわからない。物事を早く決めるのが、どうして「対人関係に不安」がある、と繋がるのか、誰か教えて!