WEB本の雑誌

10月6日(金)

 柏のS書店Mさんは本が大好きな書店員さん。確か図書館司書の資格も持っていて、とにかく本の世界で働くことに喜びを感じ、いつも訪問する度に、面白い本の話を聞かせてくれる。

 今日、そんなMさんのところに顔を出すと、お客さんと何やら話をしていた。挨拶をして、脇で邪魔にならないように待ってると、Mさんは、そのお客さん(女性)から、友達が引っ越すことになり、友達の子供さんに本をプレゼントしたいと相談されていた。幼稚園に通っているらしいその子供は、とてつもないキカンボーでいつもケンカばかりしていて、お母さんが謝りに行くことを繰り返しているとのこと。どうかそんな子が少しでも落ちつくような絵本はないか?というのが相談の主な内容だった。
 さあ、ここからはMさんの腕の見せどころ。児童書の売場にお客さんを案内し、「この絵本なんてどうですか、こんな話で、すごく心がほっとしますよ…、そのお母さんが読んでも落ちついた気持ちになれると思います。」なんて感じでいろいろと自分の読書経験に基づいた本を紹介していくのである。
 うーん、さすが。思わず感動して目頭が熱くなってしまった。そのお客さんは、「ありがとう、これに決めたわ!」とMさんが一番にお薦めした絵本を大事そうに抱えて、店を出ていった。作家、出版社、取次店、書店、と道をたどり、ついに欲しいと思っていたお客さんに本が届いた瞬間だ。とても良い現場に立ち会えた気がした。

  昨今、本を知らない書店員が多い!とよく言われるけれど、確かにそれもあるかもしれない。でも、あまりに出版量が多いのも事実で、そのすべてを把握するなんて、とてもとても難しい。Mさんのように本が大好きな書店員さんを僕はいっぱい知っている。それに好きじゃなきゃ、こんな業界にいられない…。
 一番身近な読書相談員は、本屋さんなのだ!