WEB本の雑誌

11月16日(木)

 午前中、新刊の「総天然色の夢」の見本を持って、取次店を廻る。

 今日は、というか、今日もというか、大きな声で言うけれど、「仕事どころじゃない!」。
 我が浦和レッズのラスト2、大宮アルディージャとの埼玉ダービーの日なのだ。もしかすると、3位大分トリニータの結果次第で、本日、浦和レッズがJ1昇格を決める可能性がある。
 こんな日に仕事をしろ、という方がどだい無理な話。最低限の仕事をして、とっととこの世から消える。やっぱり仕事より大切なことはいっぱいある。目黒さん、さよなら。


「炎のサッカー日誌その8」

 こんな大事な試合に、なぜかテレビの前にいる。今日は敵地大宮での試合のため、チケットを持っていない(買えなかった)のだから仕方ない。ほんと、軟弱なサポーターになってしまったなと反省しつつ、テレビの前を片づける。
 いつも通りタオルを口に突っ込もうかと思ったが、夜7時のキックオフなら世間も許してくれるだろう。それに僕のアパートを取り囲む3方の家も、みんなレッズファンなのだ。話したことはないけれど、駒場(レッズのホームスタジアム)での試合があった翌日には、レプリカの赤いユニフォームがどの家庭のベランダにも干してある。もちろん車にもみんなシールやフラッグが貼られている。良い街なんだ、ほんと。今日はみんな仕事をサボってテレビにかじりついていることだろう。

 キックオフと同時に珍しく素早い展開でレッズが攻め込む。ボールへの執着心がいつもとは違う。久しぶりの登場のFW大柴健二が鋭い動きでDF網をかいくぐる。僕が見たかった浦和らしいスピードある展開。いいぞ!レッズ。
 前半早々、その大柴が先制点を決める。ひとり昂奮のるつぼとかした僕の部屋では、テレビの向こうから聞こえる「大柴コール」に同調して、タオルを振り回している僕がいた。(大柴のコールは最後にタオルをぐるぐる振り回すフリがついている。)あまりに大きく振り回したため、蛍光灯のスイッチになっているヒモに引っかかってしまい、見事ブチ切れてしまった。まあ、これくらいならいいだろう。

 さあ、今日には決めてやろうぜ!J1昇格。

 しかし、相手大分も先制点を決め、なおかつ悪いことにレッズはその後元気をなくす。後半45分間は大宮に攻められっぱなし。何度も大宮のシュートがゴールへ向かい、その度に僕は断末魔の叫びをあげる。テレビの前だろうが、生観戦だろうが、もう知ったこっちゃない。祈りと怒りを込めて、一人部屋の中でレッズコールを叫ぶ。「うらーわレッズ。」

 どうにか勝ちはしたものの、J1昇格は最終戦の結果へ。もう僕は耐えられそうにない。ああ、見るのが怖い。