WEB本の雑誌

11月27日(月)

 とりあえず、サッカーバカは一段落…といきたいところだけど、昨夜はアジアユース選手権の決勝をテレビで見て、夜更かし。我が浦和レッズも元旦決勝を目指し天皇杯に挑戦中と、まだまだサッカーバカにオフは来ない。まあ、それでも2000年の大目標であるJ1昇格を決めたので仕事に専念する。

 12月15日搬入の新刊『本の雑誌増刊 おすすめ文庫王国2000年度版』の営業活動。

  この増刊は、約2年前に突如召集された企画会議で、事務の浜田から
「わたしは、お金がないんで、単行本が買えません。だから文庫のガイドを作って下さい。」と提案され、検討されたもの。「お金がないのは、お酒を飲んでしまうからだよ…。」とは誰も言えなかったが、確かに助っ人の学生諸君からも「単行本は高くて買えないんですよ。」という話を聞いていたので、そういう文庫だけを読んでいる読者のために文庫ガイドを作ってもいいんじゃないかと、発行人や編集長と協議したのである。

 また、ここ数年、第6次文庫戦争とやらで、文庫の新刊点数も圧倒的に増えている。よほど本屋に通わない限り、何が文庫になって、何が文庫で書き下ろされているのか…なんてことがわからない。アッという間に名作が埋もれていくという現状もあった。

 その辺をふまえ、それならばいっそこのこと、本家本元『本の雑誌』とは別に、年に一度の増刊として、文庫ガイドをドーンと作ろうではないかと!新宿のとある居酒屋で力強く決起されたのである。いつもうちの会社は勢いだけはいいのである。

 さて、この企画が立ち上がったときに編集部内では、大きな駆け引きがあった。

 本の雑誌社の編集部は、『本の雑誌』を制作する班としてデスクの浜本を筆頭に、松村、渡辺の3人の<本誌組>。それから単行本をたったひとりで制作する金子に分けられている。金子は、いつもコンピュータやらゲラやら資料だかに埋もれていて、遠くからはその姿すら確認できないので、<タンコー労働者>と呼ばれている。

 増刊号制作の大号令が発せられたとき、<本誌組>と<タンコー労働者>はお互いの思惑を絡め大きくぶつかりあった。その思惑は、
<本誌組>
「増刊と言っても、『本の雑誌』とは別だよなあ。それはやっぱりイレギュラーの単行本なんだから<タンコー労働者>が作るべきだよ。それにオレ達、12月は、年末進行で忙しいしさ。」

<タンコー労働者>
「ああ、良かった、増刊号で…。増刊と銘打つからには、もちろん<本誌組>が作るんだろう。これで年末は机の周りを掃除できそうだ、ああ、良かった。」
という互いの腹づもりがぶつかり合ったのである。

 その後どのような闘いが繰り広げられたのか、営業マンの僕には詳しいことは、わからない。しかし、所詮、本の雑誌社のことである。いつも通り、声のデカイ奴が勝つという原始的な闘いだったのであろう。
 <本誌組>混成合唱団による
「ゾーカンはべつもの~、べつもの~、べつもの~、カ~ネ~コがつくるべ~き~~」の大合唱に
<タンコー労働者>による浪花節の独唱はあっさり白旗を上げたのだと思われる。

 2年連続、金子は不眠不休で『おすすめ文庫王国』の編集作業に追われている。机の周りは、日に日に資料がうずたかく積まれ、今では覗き込まないかぎり、金子の姿を確認することができない。
 あまりにかわいそうなその姿に、同じく孤独な営業マンは立ち上がることにした。今日からよりいっそう営業活動に励み、書店さんを走り廻る。

 ガンバレ!タンコー労働者!!