1月15日(木)
年明けから相変わらずバタバタと書店さんを廻っているが、どこの書店さんも「ない!ない!欲しい!!」と叫んでいる本がいくつかある。当然といえば当然なのだが、僕自身はちょっと恐ろしいと感じているのは、その「欲しい」と叫ばれている本が、どこのお店も一緒で、いやはや読者の一極集中化は進むばかりのようだ。
昨年のデータを見てみると、『バカの壁』養老孟司著(新潮新書)や『世界の中心で、愛をさけぶ』片山恭一著(小学館)のように不況とは思えない爆発ヒットが出ているにも関わらず、出版全体を見たらマイナスになっている。
本来、出版(本)は、かなり個人的消費物であり、富士山のような形で、そのすそ野の広さによって支えられていたと思うのだが、ここ数年の間で、そのすそ野が非常に狭まり、まるで東京タワーのように尖った形になりつつある気がする。売れるものはトコトン売れ、売れないものはビクリとも売れない。
だからかどうか、出版社は極端に初版を押さえ、様子を見るようになってきた。
このHPをのぞいている人なら当然知っているであろう作品や作家も、数千部スタートなんてざらであり、その後の重版も、今度は返品を恐れ、渋りに渋る。
今、店頭で「ない!ない!」と叫ばれている本も、書店員さんにとってみれば恐怖の「品切れ重版未定」であったり、重版刷り部数が少なく極端な減数をされたりで、非常に厳しい。あまりに厳しいので、チビ出版社のチビ営業は、重版専門出版社なんてものができないか?と考えてしまう。これはよ余計な話。
本日廻った阿佐ヶ谷のS書店では、「ない!ない!」と叫ばれている本のうちのひとつ『半落ち』横山秀夫(講談社)の追加十数部が、翌日の朝には2冊しか残っていなかったという。この一極集中が恐い。それになんで今さらと聞くと映画化だからでしょとの答え。最近、異様にこの映画やドラマといった映像化が極端に売上に反映する。これもなんだか恐ろしい。
本はいったいどこへ向かっているのだろう…。