WEB本の雑誌

1月14日(水)


 今年の目標に一番大事なことを書き忘れたが、今年こそ計画的に仕事をすると心に誓っている。
いつもその時その時で場当たり的に仕事をしてしまい、大事なことが抜け落ちていることが多く、さすがに30代半ばになり、それではマズイと深く反省している。

 その第一日目。丸の内線を営業。

 まずは、昨年オープンした大手町のY書店さんを訪問。ここはまさにY書店らしい(といっては失礼なのかもしれないが)お店で、新宿西口店同様、とても小さいけれど、しっかりお客さんがいる場所にお店を作るというコンセプト。地下鉄の改札を出てすぐ、そして地下の柱と柱の間に10本程度の棚を並べ、レジ1台。現在の拡大化していく一方の書店状況では、信じられないほど小さいが、しかし、どこで買っても値段は一緒の本は、人のいるところで売れるという真実もあり、あなどれない存在である。

 それにしても、寒い。厚手のセーターを着込んだI店長さんから「じわじわ認知されてきた」と話を伺っている間も、駅に電車が着く度に強い風が吹き込んでくる。大変ですねと話すと「いやー、営業マンだって一日外にいるわけですから、一緒でしょ」と笑われる。

 次はすぐその上のビルにあるK書店さんへ。
 担当のEさんを探すと、レジに入っているではないか。どうも新人にレジの操作を教えているようだ。

 こういうとき、僕はとても悩む。
 Eさんとの距離はたった数メートルである。声をかけるのは簡単だ。しかしその間にカウンターがありレジがある。本を売るのが商売である書店で、決して越えてはならない壁である。書店は営業マンのためにあるのではなく、お客さんのためにあるのだ。

 声をかけ、来月の新刊の注文や追加の注文はもちろん取りたい。今日、その話ができなければ、また訪問しなくてはならないし、ルートの営業というのは、そういう点で「その日」に縛られる。

 しかしである。どっちにしてもそれらの思惑はすべて僕の、営業マンとしての都合でしかない。僕の都合が書店員さんの迷惑になるのであれば、それを優先するわけにはいかないだろう。そもそもアポなしで訪問していること自体が、迷惑なのだから。

 結局、新人への教育に没頭しているEさんにとても声をかけられず、お店を後にした。

 これだから押しが弱いって会社で怒られるんだよな。
 でも、いいんだ、いいんだ。たとえ仕事だとしても、相手の状況を考えない人間になんて、僕はなりたくないし、もし自分を捨てて、会社で誉められたとしても、そんなのうれしくない。