4月21日(水)
単行本編集の金子が退職することになった。
年明けからそんな雰囲気を匂わせていたのだが、まあ、それでも気が変わるだろうと考えていた。ところが、3月になって、ついに次の仕事が決まってしまい「退職」の事実は動かせないものになってしまった。
金子は勤続10年。またもやこの本の雑誌社のジンクスである「10年を越えて勤められない」を実証されてしまった。本人曰く「気づくのが遅かったんだけど10年勤めて、自分が編集に向いてないことがわかった」というのが一番の理由らしいが、「安い、休めない、やたらと太る」の「3や」の職場だから10年も勤めたら嫌になるだろう。その辺は冷静に納得できるけれど、心情としてはいまだに納得できずにいる。
実は本屋大賞の佳境の頃、この金子退職問題の心配も抱えていて辛かったのだ。とにかく金子は次の職場が決まっているだけに、早く次の人間をいれなければならない。しかし上に書いたように「3や」の職場であり、こんな会社に入りたいという人がそうそういるわけがない。またまったくの素人では引き継ぎ期間を考えるととても無理。発行人の浜本と二人、夜遅くまで顔をつきあわせていたのだ。
そんなところにまさに「飛んで火にいる夏の虫」の連絡が入る。
『本の雑誌』誌上で何度か紹介したことのあるブックファースト京都店が作っている『R.O.D』の編集人荒木くんが、なんと職もないまま上京するというのである。
すぐさま会社に来てくれと伝えたのが3月中旬。嘘はいけないから「3や」のことはしっかり伝えた。それでも荒木くんは「是非、働かせてください」と言うではないか。あまりの即答に浜本と二人6回も「ほんとに良いの?」聞き返したのがのが3月末のこと。そしてそして4月12日から小社としては7年ぶりに新入社員が入社したのである。
荒木くんは紅顔の美少年だと、事務の浜田は舌なめずりしている。確かにホッペが赤い。でも27歳で少年なのかは疑問が残る。まあ、世の中の判断は自分比だから仕方がない。
さあ、荒木くん。金子の後はキツイだろうが、これから一緒に本を作って行こう! 俺はウルサイからたまには殴って良いからね。