4月22日(木)
久しぶりに早く帰れたので、本の買い出し。
単行本を買う金がないので、文庫売場に直行した。しかし、北原亞似子や宇江佐真理や北方謙三などの時代小説を物色しているうちに、13冊もの文庫本を手に抱えていて、結局それなりの金を使う羽目に。
その精算をレジでしていると、妙に熱い視線を隣から感じるではないか。もしや顧問目黒かと思い隣を見るが、目黒以上に疲れたおじさんがそこには立っていた。
昔からそちらの人に人気の出る顔立ちだと言われているので、てっきりそういう視線なのかと思ったが、どうも違う。そのおじさん、僕の顔と本を交互に見つめているのだ。うーん?
ところがふとそのおじさんがレジに差し出している本を眺めて納得する。なんと僕と同じように時代小説を十数冊購入しているのだ。池波正太郎に佐藤雅美。いやはや、これはこの後一緒に池林房にでも行って酒を飲んだら話が弾みそうではないか。
しかししかし。僕とこのおじさんの年の差はどう少なく見積もっても20歳以上ある。そんなおじさんと気が合うような本を買っていていいのだろうか…。
僕、確かにガキの頃、若くして死んでしまったロックスターに憧れ、生き急ぐような人生を送りたいと考えていた。だから人生の良いことも悪いこともなるべく早く経験してきたつもりだ。ところがところが32歳となってしまった。もう早死にとは言えない年まで生きてしまっている。こうなるともしや人様より早く老成していってしまうのかもしれない。
隣のおじさんは、そんな僕の怯えにはもちろん気付かず、しつこく熱い視線を送り続けていた。