10月19日(火)
僕が、一番ストレスが溜まるのは、思ったように書店さんを訪問できないときだ。
それはたぶん余計なことでもついつい口出ししてしまう(しかもその口出しはほとんど役に立たない)性格が災いしているのだろう。いつの間にか社内でいろんなものの緩やかな担当にされていて、最近その辺の仕事に時間を結構取られてしまうため、本来の仕事である営業にかける時間が減ってしまっているのだ。
これは注文制の出版社で、たったひとりの営業マンしかいない場合、会社の存続に関わる大問題だと思うのだけれど、別に部下が入ってくるとか、上司が入ってくるとか、そういった様子はまったくない。本当はここをゴシック体の大きな文字にしたいのだが、それが出来ないのでカッコでくくる。「これは会社に対する嫌みです」。
いやそんな経営上の問題はどうでもよくて、ただただ書店員さんに会えないのがつらいし、本を眺められないのが淋しい。またあの営業というそれこそ瞬間瞬間が勝負の、あの緊張感を身体が欲するのである。
僕の営業レベルなんて酷いもんだから、ほとんどその勝負に負けてしまい、そして夜になると毎日ああすれば良かった、こうすれば良かったと歩くのさえつらくなってしまう。しかしそれでもやっぱり人対人の付き合いが好きだ。何気ない一言から共感を感じて仲良くなったり、あるいはちょっとした仕草で嫌われてしまったり、そういう緊張感と流動性がたまらない。
営業マンが、売っているのは一見商品だと思われるかもしれないが、一人のお客さんと長く付き合う営業マンにとって最大の商品は「自分自身」なのではないか。だからこそ営業は面白く、そして恐ろしいのである。
本日は、なかなか訪問できず、いつも「ごめんなさい」と胸に抱いていた書店さんを訪問。久しぶりのお顔を眺めたら、ストレスなんてあっという間にぶっ飛び、本の話やらサッカーの話やら。いやはや、やっぱり僕は、本屋さんと営業が大好きだ。