WEB本の雑誌

12月8日(水)

 相棒・とおる(=太肉小背。32歳。中規模機械メーカー勤務。妻と子ひとり。住宅ローンあり)から先日連絡があり、ボーナスも出たことだし、たまには本でも買おうかなという内容であった。

 コイツは僕の悪友のなかでは数少ない本を読む人間で、まあ月に3~4冊はコンスタントに読んでいると思われる。また雑誌も大好き、というか情報が大好きで広く浅くいろんなことを知っている人間でもある。

 その相棒とおるが、買おうと思っていたのは『間宮兄弟』江國香織(小学館)で、柄にあわず江國さんの小説が好きだとのたまいやがる。まあ人の好みはそれぞれだし、『間宮兄弟』の兄にとおるが似ているような気もするので「買いなさい、読みなさい」と伝えておいた。

 そして本日メールが届く。
「いやー、スマン。たまには杉江の業界に貢献しようかと思っていたけど、つい『間宮兄弟』を古本屋で買ってしまった…そんなに安いわけでは無いのに(950円)。古本屋に平積みになっているってどういうこと?」

 平積みの件はともかく、すぐ近くで定価の半値近くで売っていれば、買ってしまうのが人間だろう。そしてその販売部数は我らメーカである出版社の販売数にはカウントされないのだから、本が売れなくなったと叫びたくなるだろう。

 本は間違いなく読まれている、けどこちら(出版社)に金が落ちてこないような形で読まれているのだ。

 またこの相棒とおるは『バッテリー』あさのあつこ著(単行本:教育画劇、文庫:角川文庫)も読み出したのだが、こちらはすべて図書館で借りているとか。年末に向けて3巻と4巻は貸し出し予約しているという。こういう人もきっと多いだろうな。本を読むための方法が、1に新刊書店という人はきっと減ってきていて、1に図書館あるいは新古書店という人が増えているのではなかろうか。

 さて、出版社はどうしたら良いんでしょうか?

 新古書店から金を取る方法…なんてないだろうし、図書館のシステムを変えるなんてことも難しいだろう。ちなみに相棒とおるの情報収集方法は、雑誌の立ち読みが減り、ほとんどホームページやメルマガになったともいう。

 うーん、とおるちゃん、どうしたら新刊や雑誌を買う?
 単行本の値段が安かったら買う? えっ? そうなったら新古書店がもっと安くなるって。じゃあ、カッコイイ本を作ったら? 別に所有欲はない? 参ったな。