WEB本の雑誌

12月13日(月)


 あれから二日が過ぎた。

 その間、何度もビデオの再生ボタンを押してみては、画像が映るとすぐに涙が止まらなくなって停止ボタンを押すということを繰り返した。何度も何度もそうやって、結局二日かけて進んだの前半の半分くらいだ。これ以上とても見ていられなかった。

 そこに映る選手達は、誰もが本気で120%戦っていた。
 ゲームに集中し、そしてボールに執着し、敵選手と体をぶつけ合い、ゴールを目指していた。僕がレッズサポでなく、単なるサッカー好きだったら、「素晴らしいゲーム」と表現するであろう、最高の試合が、最高の舞台で行われていたのだ。

 そしてその奥から聞こえてくるサポーターの声は、やはりこちらもいつも以上の声で間違いなく120%戦っていた。

 前日から用意をしていた人文字は約5万席に赤や白のビニール板や風船を置くため、有志が集まって夜遅く、あるいは朝早くから作業をしていたものだし、スタジアムの内外には「全員で応援して勝利を奪おう」という趣旨のビラがそこかしこに貼られていた。その甲斐あってか、いつもは着席している指定席観戦者も、この日は選手の入場時には立ち上がり、ゴール裏の声にあわせ、声を出し、手を叩いていた。埼玉スタジアムが出来上がってから、最高の環境が、まさにこの最高の試合でサポーター同士の想いによって生まれたのである。まさに「We are REDS」を体現する日であった。

 いったいサッカーの神様は何を考えているのだろうか?

 こんなにサッカーを愛し、サッカーとともに生きている人間の前で、これほどまでに悲劇的な結末を用意しようとは。それもまさにナビスコカップ決勝と同じ展開で、果たして年に2度も決勝戦で延長PK負けを期したチームというのが世界で存在するのであろうか? 

 どうして我らが浦和レッズの前にはこうやって悲劇ばかりが起こるのだろうか。連敗、J2降格、ギリギリの昇格、昇格組の初勝利献上…、挙げていけばきりがない程のいくつもの悲劇。なぜだ?

 それはきっと強くなるための試練…なのだろう。
 そう思わなければとても立ち直れないし、そうしなければならない。
 浦和レッズは、日本一の、アジア1の、そして世界を代表するクラブになるために、多くの悲劇から立ち上がることを、サッカーの神様は望んでいるのだ。

 試合後のスタジアム。
 J2降格決定時にはすすり泣きがそこかしこから聞こえ、涙声の「We are REDS」がこだまがしたが、この日は涙ではなく、完全燃焼したのか、座り込む人が多かった。そう僕らも120分+α戦い続けたのだ。

 そして最後の最後で起こったコールは悲劇性を孕んだ「We are REDS」ではなく、「ウラーワ、レッズ」であった。この違いは大きいだろう。

 そう僕らはすでに立ち上がろうとしていたのだ。
 ウラーワ、レッズ!