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9月1日(月)

 布団のなかで娘がつぶやく。
「泣いちゃいそうだなぁ。学校いやだなあ」
 人生において9月1日ほど嫌な日は確かにないだろう。しかしほとんど学校に行っていなかった僕としては「学校楽しいじゃん」なんてウソはつきたくない。楽しいことに気持を向けてやろう。
「もうすぐポケットモンスタープラチナの発売だね」
 娘はがばりと起きて歯を磨きに行った。


 今日も暑くなりそうだと思いつつ、娘が育てているナスの鉢植えに水をやっていると、ランドセルにお道具箱に宿題で作った写真立てと荷物を抱えた娘が玄関から出て来た。その表情はやっぱり不安げで、心細そうだった。「いってらっしゃい」と言っても返事はない。
 なんとなくじょうろを置いて、通学班の待ち合わせ場所に向かう娘に着いていく。すると突然娘が振り返る。
「パパ、何してんよの。2年生にもなって親が付いてくるなんて恥ずかしいでしょう」
 僕は立ち止まり、そして家に戻った。


★    ★    ★

 夜、リブロ矢部さんの対談を収録するため、待ち合わせ場所になっているお店へ向かうと、雑誌売り場は2重3重の人垣ができていた。様々な雑誌の休刊や廃刊が発表になっているのだが、まるでネットサーフィンを楽しむような意識で、多くのお客さんが立ち読みをされている。

 雑誌をコミックのようにビニールパックしたら売り上げはどうなるだろうか。例え雑誌の売り上げが上がったとしても、書店の集客力が落ちて全体は下がるだろうか。

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