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2006年3月 風雲もやしそば号

 いま日本の雑誌はどういう顔をしているのか。書店の雑誌売場には、きらきら美女から熱帯魚まで、いろ~んな顔の雑誌が並んでいるが、ええい、こっち見るなよ、という表紙も少なくない。では、正しい雑誌の表紙とは何なのだ! というわけで、本の雑誌3月号の特集は「全日本雑誌表紙王座決定戦!」。五人の選考委員が全国から選抜した雑誌を持ち寄り、表紙王を決定する座談会がついに開幕だ。必死の吉本隆明にぴかぴかキャバクラ嬢、セレブにビッチにおナル男、そして不思議な布まで、古豪強豪ひしめく中、王座に輝いたのはガーリーでセレビッチでエロ度ナンバー1のこの一冊! さっぱり意味がわからんというおじさんも要注目。読者が選ぶ「好きな表紙」「嫌いな表紙」もあわせ、15ページでいざ、いくぞ。
 新刊めったくたガイドは代打2回目、関口苑生が吉本新喜劇を彷彿させるカール・ハイアセンの"大騒動作"にハマりまくれば、石堂藍は恋愛小説にして教養小説にして歴史伝奇ファンタジイの超大作にノックダウン。大森望がミリタリー図書館活劇『図書館戦争』を2006年最初の傑作!と断言すれば、大矢博子は豪華絢爛のハチャメチャ・アクション『劫火』に燃えまくり! 吉田伸子が正統派OL小悦『ガール』の巧さに舌を巻けば、米光一成は身振り指南書『人は「動き」だ!』で「ツッコミながらクスクス笑ってしまうときの動き方」を大特訓。そして北上次郎は佐藤賢一『褐色の文豪』を読んで成功するための三つの条件を再確認。好奇心旺盛で浪費家で楽天的な絶倫男の生涯と、成功の三点セットにいったいどんな関係があるのか。まずは本文を読んでくれぃ!
 しつこく続く30周年記念連続ブックガイド「この30年間のベスト30」は豊崎由美の「小説の技巧に驚く海外文学30年間の30冊」。打倒ジョイスの執念が生んだ、手強くもコーフンの名品がずらりだ。さあ、あなたもこれでトヨザキ社長に変身してみよう! さらに思わず夜空を見上げたくなる「プラネタリウム」の吉野朔実劇場、昭和26年にタイムスリップする鏡明など、連載陣も絶好調! 本の雑誌は男性誌なのか女性誌なのか、という哲学的問題も提示しつつ、小田原鈴廣のかまぼこは今日もいく。さあ、友よ、春はもうすぐだ!

目次

今月の一冊

この30年間の海外文学30冊/この三十冊を挙げるトヨザキ社長が出来るまで   豊崎由美
吉野朔実劇場/プラネタリウム 吉野朔実

特集:全日本雑誌表紙王座決定戦!

全日本雑誌表紙王を決定する座談会がついに開幕!
必死の吉本隆明にキラキラセレビッチ、不思議な布と強豪たちがひしめく中、王座を射止めるのは何だ!?
読者アンケート/雑誌の表紙「好き」「嫌い」

笹塚日記 目黒考二
昭和26年のガイドブック 鏡明
南の話/いっぱい食わせるひとたち 青山南

新刊めったくたガイド

吉本もびっくりの“大騒動作”『幸運は誰に?』にハマる! 関口苑生
奇妙にして洗練された壮大な物語 石堂藍
2006年は有川浩『図書館戦争』でスタート! 大森望
娯楽極楽ハチャメチャ極まる豪華絢爛『劫火』に燃える! 大矢博子
潔く愛らしくカッコいい“ガール”たちの短編集 吉田伸子
イラストつき身ぶり指南書『人は「動き」だ!』が楽しい 米光一成
好奇心旺盛で、浪費家で、楽天的な絶倫男の波瀾に富んだ生涯 北上次郎

あのヴァレンタインが帰ってきた! 穂井田直美
千差万別百花繚乱のBJトリビュート本 岩井道
見事に死ぬか生き抜くか葉隠武士の道は険しい 青木逸美
ゼナ・ヘンダースンが奇想コレクションに登場! 山岸真
『同性愛入門』の画期的な無料公開 永江朗
正月だからバンザイ三唱なのだ 近藤庄太郎
楽しさ倍増箱根駅伝あれこれ 渡邊十絲子
元気いっぱいの韓国ガイド『ぐるぐるプサン』 川上賢一

坪内祐三の読書日記/荒木一郎の父親はキクチ・ショーイチだった 坪内祐三
サブカルチャー創世記/演出家ができるまで 津野海太郎
トヨザキ社長の「寄らば斬る!」/全身私小説家・西村賢太に注目! 豊崎由美
大久保康雄翻訳大研究/心を鷲掴みにする訳文の力 新元良一
悪党どもの肖像/ルノワールとケインをつなぐもの 吉野仁
ヒーローたちの荒野/憎悪のないところでのカタルシス 池上冬樹
日本SF戦後出版史/“推理小説ブーム”到来の巻 高橋良平
自在眼鏡/S・ハングでベストセラーを目指せ!?他
コラム
・今月の浅沼茂 浅沼茂
・ミミ中野のこれいただくわ ミミ中野
・銀の輔本の旅 高野ひろし

十五年間を振り返る「終巻あがぁひゃー号」だ! 柴口育子
『百合子さんは何色』に言いたい! 青木るえか
『夢占い事典』とタロとジロ かなざわいっせい
革マル派が唱える酒鬼薔薇事件の真実!? 柳下毅一郎
掲載図書索引

続・棒パン日常/そんな筈はない 穂村弘
三角窓口/本の雑誌は男性むけ雑誌ではない!?他
北原バカ本道 北原尚彦

「スタイルズ荘の怪事件」の弁護士的読み方 ローヤー木村
歩く旅ひと休み/イルカ丘陵の出発 沢野ひとし
今月のお話/サンフランシスコで窒息本 椎名誠
後記

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