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2008年5月 アメフラシ決闘号

 桜も咲いて春本番! 今年はこれからどんな本が出るのか!? というわけで、本の雑 誌5月号の特集は「作家名音引き 二〇〇八年、私のマル秘新作!」。本誌が気になる作家本人に今年度の刊行予定と執筆予定、そして目標と近況をきいたアン ケート特集なのだ。なんと予想をはるかに上回る70人もの作家から回答がきて、おおお、うれしいうれしいと増ページ。読者の読みたい新刊も合わせ、なんと なんと25ページの大特集だ。さあ、江國香織から村上春樹まで、今年の予定をどぉーんとチェックしてみよう!

  新刊めったくたガイドは三橋曉が「シンプル・プラン」のスコット・スミス13年振りの新刊を待ったかいあり!とイチオシすれば、牧眞司はエイミー・ベン ダーの短編集のちょっぴりものがなしい結末の余韻にどっぷり。大森望が宇宙時代のワーキング・ガール小説『妙なる技の乙女たち』を女性読者に強くおすすめ すれば、宇田川拓也は男くささがみなぎる伊集院静香『羊の目』で全身星飛雄馬!? 永江朗が朝倉かすみ『田村はまだか』のオッサンになりたい!と熱望すれ ば、東えりかは「飛んでるばあさん」齋藤輝子の生き方に共感。そして北上次郎は年齢性別おかまいなしで、豊島ミホが描く中高生の鮮やかな日常を絶賛! さ あ、豊島ミホのヒロイン友情小説を読みたいというおじさんの声は届くか!?

 そして今月は江弘毅がいよいよ 「ミーツ」を創刊! 坪内祐三が本邦諸訳に感心すれば、吉野朔実は「構造用圧延鋼材」にスケルトンな愛。エンタメ・ノンフに「異星人」が参戦したかと思え ば、モスラは暴れるわジパングは日本から離れるわ藤沢周平は「幻の女」を探すわと、まさに春の突風吹き乱れ! 目黒顧問の今月のお買い物は「文庫本ノー ト」で、おっと、町田日記の連載も間近か? 大特集のため、増ページの本の雑誌5月号は本邦初!?の「特中号」。「特別中身が面白い」春のお楽しみスペ シャルなのだあ!

目次

今月の一冊

ヒーローたちの荒野/藤沢周平が愛した『幻の女』 池上冬樹
最初の一行 鏡明
南の話/一九六五年の脚、ふたたび 青山南

特集:2008年、私のマル秘新作!

☆春本番、はたしてこれからどんな本が出るのか!?気になる作家に今年の予定を聞いた大アンケート特集だ!
・読者アンケート・この作家のあの新刊が読みたい!

坪内祐三の読書日記/本邦諸訳ってなかなか言えてるよね 坪内祐三
サブカルチャー創世記/テント受難 津野海太郎
ブックス・墨瓦蝋泥加/真のジパングはどこにある!? 宮田珠己

新刊めったくたガイド

 スコット・スミス十三年ぶりの新作が出たぞ! 三橋曉
ボウエンのアンチロマン ベンダーのイマジネーション 牧眞司
宇宙時代のワーキング・ガール小説『妙なる技の乙女たち』 大森望
伊集院静『羊の目』に身体が熱くなる! 宇田川拓也
朝倉かすみ『田村はまだか』のオッサンになりたい! 永江朗
“飛んでるばあさん”齋藤輝子の生き方 東えりか
『花が咲く頃いた君と』の鮮やかな日常がいいのだ 北上次郎

ナオミ・ヒラハラが描く日系人ミステリー 穂井田直美
人類の太古の記憶を垣間見る 神谷竜介
一次面接でレッドカードが登場!? 田口久美子
ひと味違う正調クラーク節を堪能! 山岸真
定番ネタの壁を破る『COURRiER Japon』 近藤庄太郎
10人の女性がひと肌脱ぎました 柴口育子
内容一新で知識もアップデートだ! 渡邊十絲子
故郷のお祭りからインドまでいたる「驚きの猿文化」 川上賢一

吉野朔実劇場/構造用圧延鋼材 吉野朔実
ミーツへの道/いよいよ創刊 江 弘毅
高野秀行の辺境読書/エンタメ・ノンフに「異星人」が参戦! 高野秀行
トヨザキ社長の「寄らば斬る!」/中原昌也の絶望を信じる! 豊崎由美
日本SF戦後出版史/「モスラ」と『イブの時代』の巻 高橋良平
岸和田DNA/父の五箇条 中場利一
コージーのロマンス化に反旗を翻すのだ! 大矢博子
チャンドラーとチェイスをつなぐ“蘭” 吉野仁
現代都市にあふれ出た“怪異の場” 霜月蒼
文壇の寵児と娼婦連続殺人事件 柳下毅一郎
掲載図書索引
コラム・今月のお買いもの 目黒考二

続・棒パン日常/書評 穂村弘
三角窓口/本の中の写真にひとめぼれなのだ!他  
長島千尋のうきうき道場 長島千尋

「ホワイトアウト」の弁護士的読み方 木村晋介
歩く旅/初夏の上高地 沢野ひとし
今月のお話/春の突風みたいに 椎名誠
後記

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