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佐久間 素子の<<書評>>
サグラダ・ファミリア「聖家族」
【新潮文庫】
中山可穂
本体 400円
2001/12
ISBN-4101205310
評価:C
著者の小説を読むのは4冊目だが、主人公のテンションの高さに毎度ついていけない。公衆の面前でいちゃいちゃするが如きつつしみのなさ。私とあなたとの恋愛が全てで特別と信じて疑わない傲慢(特別なのは私とあなただからで、女同士だからではない。そこでひるむのは間違い)。ああ、苦手。全裸でピアノもあるしな。ただ、本作は比較的素直に読むことができた。物語の3分の1時点で、恋人が死んでしまうからだ。主人公の激しさに多少なりとも納得がいったのだろう。癇の強い主人公と、恋人の残した癇の強い子ども、血のにじむようなぶつかりあいに、死んだ恋人と、他人同然の優しい青年の手がさしのべられる。その結びつきを家族とよぶならば、それは神聖意外の何物でもないもの。
うつくしい子ども
【文春文庫】
石田衣良
本体 448円
2001/12
ISBN-4167174057
評価:B
ここ数年、「心の闇」という言葉が便利に使われすぎだと思いませんか?本書だって、いってみれば、女の子を殺した弟の心の闇をみつめようとする兄の話、なのだが、こんな要約で本書の魅力が伝わるもんか。14才の兄の、「誰かわかってやる人がいなくちゃ」という決心の前に、「心の闇」という空疎な言葉は意味をなくす。怒りや恨みに我を失うことなく、真実を求めてまっすぐ伸びていく魂が健気でまぶしくて泣けた。夜のクスノキの下、それぞれの事情で精一杯の中学生たちは、それでも何故か軽やかで、愛しい気持ちになった。なぜ殺したか、という謎の答えはたいしたことなくて、ミステリとしてはいまひとつ。ビルドゥングスとして読んでほしい。
嗤う伊右衛門
【角川文庫】
京極夏彦
本体 552円
2001/11
ISBN-4043620012
評価:A
伊右衛門の破れた蚊帳から夜が染みてくる。ここから物語は始まる。古典好きなら四谷怪談がどんな話かくらい知っている。蚊帳の向こうの闇がひたすら深いことも、その不吉な闇がこけおどしじゃないこともわかっている。希望なんて毛筋もみせずに、ゆっくりと破局へ進む物語を、読者は最後まで追うしかないのだ。執拗なくらい丁寧に心の動きをなぞるという著者のスタイルは、すべての理不尽をなくしてしまう。歌舞伎のお約束である偶然も、本作ではけれんにならない。強くて正しい岩の狂気も理解できてしまう。果てしなく正気でありつづける伊右衛門が犯す殺人も。どんな悪も。どんな弱さも。物語は夜の蚊帳の中で、いったん幕となる。悪事も殺人も屁とも思わぬ色悪の伊右衛門にもひかれるが、本書の伊右衛門も凄絶な魅力があった。ここにあるのが愛じゃないなら、一体何が愛だというのだ。個人的には、著者の最高傑作だと思っている。怖い、哀しい、美しい。
読者は踊る
【文春文庫】
斎藤美奈子
本体 676円
2001/121
ISBN-4167656205
評価:B
斎藤美奈子、おもしろい! 寡作なので新聞や雑誌でみつけては喜んで読むのだが、明快、新鮮、健全。たいていはすかっとするが、たとえ納得できなくても笑えるところがすごいのだ。評論家として信頼しているし、次はどんな仕事をしてくれるのか、すごく楽しみにしている。本書は話題本の評論集という性格上、単行本時に、さらには雑誌連載時に読んでいる方が刺激的だったに決まってるのでB評定。夏休みの課題図書の読み比べ(苦笑)とか、聖書の読み比べ(爆笑)とか、古びない文も多いけれど、読む気があるなら一日も早くどうぞ。冒頭の「タレント本=私小説」論なんて、腑に落ちすぎて、私の中じゃもはや既成概念だもの。
超音速漂流
【文春文庫】
ネルソン・デミル
トマス・H.ブロック
本体 705円
2001/12
ISBN-4167527936
評価:A
帯の惹句どおり一気読み。古典的名作といわれるだけあって、実におもしろかった。ちょっとあざといんじゃないかと思うくらいのドラマ性である。誤射されたミサイルが旅客機を直撃し機体に穴があく。急速な減圧の中、運良く正常な状態で生き残った乗客5人が生還をめざすという、これは航空サスペンスなのだが、彼らをはばむ内から外からの障害に息つく暇もない。生還させまいとする軍が航空会社が保険会社が、怖くて愚かで戦慄。酸欠で脳を損傷し凶暴化した乗客が、怖くて哀しくてやはり戦慄。夜、めちゃめちゃ怖い夢を見た。難は題も装丁もとっつきにくいこと。メカ物のSFかと思った。原題どおり『メーデー』でいいのに。
マップ・オブ・ザ・ワールド
【講談社文庫】
ジェーン・ハミルトン
本体 990円
2001/12
ISBN-4062732696
評価:C
アリスはあずかっていた親友の子どもを事故死させてしまったうえに、職場で児童虐待の疑いをかけられて投獄される。二つの事件は別のものだが、お互い影をおとしあい、アリスと周囲の人に関わってくる。それでもやはり、二つの物語を無理からつなぎ合わせたような印象はぬぐえない。ただ、この小説、人物像がすごく鮮明なのだ。自分の過失に苦しみながら、全く関係のないこと(過去の思い出とか、夫がかっこいいとか)をつい考えてしまうアリスの心の動きなんて、意地悪なくらいリアルじゃないか。夫の一人称をはさむ構成も、アリスのべたぼれする彼がただの凡人であることをあぶりだして、容赦がない。小さなエゴを見逃さない作者の目が、本書の説得力なのである。
どんづまり
【講談社文庫】
ダグラス・ケネディ
本体 1,200円
2001/12
ISBN-406273320X
評価:D
軽い気持ちで寝た女の子が妊娠しちゃって、やむなく結婚を決めたら、婿養子に入れなんて言われたりして、しかも家に入ると舅の性格がものすごく悪かった、なんて人生を送っている人は、身につまされたりするんだろうか。わからん。これ、本当に怖いの?しかも、笑えるって?どっちもまるでだめだったが、それは私が女だからなのかなあ。主人公の陥る状況は確かに悪夢だが、それ以上ひどくならないじゃん。しかも、主人公すぐへたるし。怖がらせるならともかく、笑わせるには、やることなすこと裏目に出て、それでもなお不死鳥のようによみがえる打たれ強い主人公が必要でしょう。いや別に人の不幸を望んでるわけじゃないのだけれど。
さらば、愛しき鉤爪
【village books】
エリック・ガルシア
本体 860円
2001/11
ISBN-4789717690
評価:C
人間の皮をかぶった恐竜ルビオが主人公。別に比喩を使っているわけではない。ボタンやジッパーで本当に着脱するのだ。そのものずばりのおまぬけな設定なのである。そして、相棒の死の謎を追うハードボイルドな私立探偵でありながら、性格も行動も抜け作なルビオのおこす騒動は、これまた大変まぬけっぽい。恐竜ということを抜きにしても、である。シリアスかと思うとユーモラス、ふざけてるかと思うと大まじめ。微妙とはいえバランスがとれているので普通に読めてしまうが、かなり変な小説である。ぎりぎりOKってところか。クライマックス、まさかのどんでん返しにあぜんとしたが、考えてみれば驚いて当たり前。類例あるはずないもんなあ。
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