手島 洋の<<書評>>
真剣 【新潮社】 海道龍一朗 定価940円(税込) 2005/11 ISBN-4101250413
つきのふね 【角川書店】 森 絵都 定価460円(税込) 2005/11 ISBN-404379102X
いつか記憶からこぼれおちるとしても 【朝日新聞社】 江國 香織 定価500円(税込) 2005/11 ISBN-4022643544
青空感傷ツアー 【河出書房新社】 柴崎 友香 定価494円(税込) 2005/11 ISBN-4309407668
評価:★★★★ 美人だが性格の悪い女の子、音生と、優柔不断で(男女を問わず)きれいな子に弱い芽衣が旅をする物語。トルコから四国、石垣島まで、行く先々でケンカになりながらも結局、ふたりは周りの男たちを巻き添え(?)にしながら旅を続けていく。「感傷旅行」とタイトルにはあるが、別にふたりが失恋したから旅行に行くというわけではなく、ただなりゆきで出かけていくという力の抜け具合がなんともいえない。 細かいことが気になりながらもなかなかそのことが口にできず、怒りを腹にためながらも、結局は音生の可愛らしさにすべてを許してしまう主人公、芽衣。話の前半は新幹線の中で延々と大声でしゃべっていたり、昔つきあっていた男を突然呼び出したりしていた傍若無人な音生に注目していたのですが、読み進めるうちに、周りの景色や音生の美しさや四国の旅館の息子、永井君の可愛らしさに見とれて、それまでの怒りや悲しみを忘れてしまう芽衣の心変わりの速さの方が気になってしまった。二人の旅は面白いけど、一緒に巻き込まれるのはしんどそうです。
魔力の女 【講談社】 グレッグ・アイルズ 定価1140円(税込) 2005/11 ISBN-4062752344
パ−トタイム・サンドバッグ 【ランダムハウス講談社文庫】 リーサ・リアドン 定価840円(税込) 2005/11 ISBN-4270100168
塵よりよみがえり 【河出文庫】 レイ・ブラッドベリ 定価714円(税込) 2005/10 ISBN-430946257X