評価:★★★★ 作者の「常野物語」最新長編なのだそうだ。残念ながらシリーズ初読です。 突如、目の前に現れる巨大なボウリングのピン。巨大な野菜。正体不明の「あれ」と戦い続けてきた一家はそういう能力を持つ一族らしい。 母・暎子の突然の昏倒に、娘は「いざというとき」と父が遺した番号に電話を掛ける。超常的な力の物語を宮部みゆきがRPG的アイコンと筋立てで進めるなら、恩田陸は呪術的で日本的な小道具を用意する。そこには鳥居がよく似合う。娘・時子は「洗濯屋」と呼ばれる男・火浦と母を救うべく探求して行くのだが、そこには隠された記憶と一家の謎、さらにそれを覆すウソが張り巡らされている。 もうね、訳が分かりませんー。でもね、脳の力やそういう資質、人間の精神に取り付いている異物の生命体説に「ありうる」と納得してしまう自分もいる。面白い。 読後感:で、いま私はドコにいるんでしょうか?
うしろ姿 【文藝春秋】 志水辰夫 定価1600円(税込) 2005/12 ISBN-4163245405
愛の保存法 【光文社】 平安寿子 定価1470円(税込) 2005/12 ISBN-4334924816
はるがいったら 【集英社】 飛鳥井千砂 定価1365円(税込) 2006/1 ISBN-4087747921
わくらば日記 【角川書店】 朱川湊人 定価1470円(税込) 2005/12 ISBN-4048736701
虹とクロエの物語 【河出書房新社】 星野智幸 定価1575円(税込) 2006/1 ISBN-4309017436
ある秘密 【新潮社】 フリップ・グランベール 定価1680円(税込) 2005/11 ISBN-410590051X