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WEB本の雑誌
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今月の新刊採点
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【文庫本班】2006年11月の課題図書
明治ちぎれ雲
平山壽三郎 (著)
【講談社文庫】
税込680円
2006年9月
ISBN-4062755181
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
久々湊 恵美
評価:★★★☆☆
文明開化の始まった江戸で武士達がどのように商人として生きていくのかを綴った物語。
今までの生き方を180度覆されてしまった浪人龍之介。新たに始めた寺子屋も焼失し、食うや食わずの苦しい生活を送る羽目になってしまう。それを支えたのが恋女房お駒。
仲居として働き夫を影で支えつつ、心の中で貧乏な生活からなんとか脱却したいという情熱を燃やしている。
貧乏ながらも力強く生きていく夫婦の物語、といった感もあって、頑張れー!なんて励ましながら読んでいたのですが…。
その情熱からお駒はコネをつくって牛鍋屋を開き、あっという間に店を増やしていくのです。
そのサクセスストーリーとお駒の手腕には、舌を巻きました。粋で本当いい女だなあ、と感心しきり。
夫の一歩も二歩も先を読んで商売も人生さえも切り回していく姿は、凄みすらありました。
ただ、少し寂しいような印象のあるラストだったのだけれど。それって現代を生きているからかなあ。
それにしても女ってコワイワ。
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松井 ゆかり
評価:★★★☆☆
あまりにもとんとん拍子に話が進むのが少々気になるが、幕末から明治へと移り変わる激動の時代をしたたかに生きる人々の姿が興味深い一冊であった。
可憐な若妻だったお駒が経営者としてだんだんと(いわゆる女の武器をも使って!)のしあがっていく一方、主人公龍之介は自分が大きな流れに巻き込まれながらいまひとつ実感のない様子で、それでも女房がやりたいようにやるのを口出しもせず見守っている。夫唱婦随が当たり前であった時代にあって、ある意味たいへんに進歩的な物語とも言えよう。
お駒の策略にのって妾を持つことになった龍之介が、それまで女房一筋できたにもかかわらず、けっこうその気になってしまうところが笑える。しかし、お駒の上昇志向は現代小説に置き換えたら松本清張や大薮春彦あたりが書いてもおかしくなさそうな題材である。ぎらついた話になりそうなところをさらりと書き上げたのは、著者の筆さばきによるものか、古き良き時代の持つ空気がそうさせたのか。
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西谷 昌子
評価:★★★★☆
とにかく出てくる女たちがしたたかで色っぽい!
この時代ならではのエロス、とでも言おうか。特にヒロインのお駒は、尋常ならざるしたたかさと器量を見せる。
だが、そうしながらも見せる優しさと柔軟さ。こんな女性がいたら男は一発で参ってしまうだろう。
他の女性たちも強く、現実的にものを見ていてとても魅力的である。女の強さが最大限に発揮された小説と言ってよいのではないだろうか。
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島村 真理
評価:★★★★☆
日本史では幕末のころが好きです。というと、明治の礎をつくった英雄たちに目がいくところですが、時代をうまく利用して運を自分のものにしていく庶民の姿も面白い。
いちはやく牛鍋屋に目をつけ出店を重ねていくお駒とその後を支える龍之介。夫婦が手に手を取って……というよりも、これはお駒の立身出世の物語だと思います。そのうえで、妻の才能を支える夫の愛情あふれる話かと楽しみにしていたので、途中からの展開に唖然としてしまいました。
男と女のことは、たとえ夫婦の絆があってもどうにもならないものなのですね。龍之介は、お駒の事情を薄々知りつつもけして事を荒立てません。川の流れに身を任せるように運命をそのまま受け入れていきます。そこには、諦観のすがすがしさと、形を変えた相手への思いやりがあります。もちろんお駒も。愛情にはいろんな形があるのです。
牛鍋屋「今岡屋」はきっとこれからも繁盛していくのでしょう。それぞれの立場で関係が良好ならそれでよしなのです。
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浅谷 佳秀
評価:★★★★★
江戸から明治へと変わる激動の時代、牛鍋屋を始めて成功する夫婦の話――本のカバー裏の解を読むとそういうことが書いてある。だが、その解説は、この物語を牛鍋に例えるならば、中身の入っていない平鍋の、それも蓋だけ、といったところだ。実際の鍋の中身は男と女の機微。それも夫婦の、切なくそしてとびきりユニークな。それがことことと煮込まれて、えもいわれぬ味を出す。
2人での生活を切り開いていくために、主導権を女房が握ってビジネスに乗り出してゆく――そんな夫婦はそう多くはないだろう。とくに男の側に度量の広さがなくては無理だ。しかも女房にパトロンの影がさしているとなると、並みの男では嫉妬と屈辱に耐えかねるだろう。だが、この物語の夫婦はもっと凄い。互い納得したうえで、お互いに愛人を持つことを認め合うのだ。無論その結果、夫婦の関係は変化を余儀なくされてゆくのだが、彼らはそれを淡々と受け入れ、しかも互いに深い愛情の絆で結ばれ続ける。2人の間に醜い修羅場や愁嘆場は決して出現しない。
この物語の主人公夫婦の選択は、二人の人生における成功のチャンスをつかみ取るためのものだった。ある意味ビジネスを愛情に優先させた一面もあるかもしれない。だがそれでも彼らは常に深く信頼し合い、認め合い、互いの選択を受け入れてゆくのだ。その顛末を飄々とした筆致で描いているのが本作品だ。つまりこれは非常にラジカルな愛情の物語なのだ。
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荒木 一人
評価:★★★☆☆
御一新──慶応から明治に、江戸が東京へ。激動の世を庶民の視点から描く、明るく朗らか時代小説。内容も語彙も難しくないので、歴史小説が苦手な方も気楽に読める。
元武士の今岡龍之介は日本橋小伝馬町の井筒屋で口入れ仕事を、妻のお駒は柳橋の万八楼で仲居の仕事を、そして、夫婦揃って内職の団扇作りをしていた。混沌とした明治時代、誰も彼もが右往左往していた。文明開化の牛鍋で、運を開くべく行動を起こす。
信頼、人が生きていく上で最も必要な事のひとつである。夫婦である前に、他人の二人。その二人が信頼し、助け合い。己達の才覚だけを頼りに世にうって出る。
殺伐とした現代だが、いつの世も人の営みに大差がある訳で無し。濁流の様な社会から少し離れて黙考するのも良いのでは。
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水野 裕明
評価:★☆☆☆☆
幕末から明治にかけての動乱の時代を婦唱夫随で生き抜いて、牛鍋屋を起こし、今でいうチェーン店に育てあげた夫婦の物語なのだが、前半と後半では物語の主張が何か違うようで、違和感を受けた。前半は幕末の混乱の様子や時代風俗が巧みに描かれていて、その時代の庶民の哀歓や主人公夫婦の情愛も伝わってきて共感もできたのだが、後半に入ると物語は一変。あれよあれよという間に始めた牛鍋屋は繁盛してお店を次々に増やし、兄弟縁故の人たちを雇い入れ、仲居の女性を次々と妾(今でいう愛人)にして増やした店の経営を任せていく……。なんか、儲けてお大尽になったら妾をつくって増やした店を任せるのが一番と奨めているようで、これでは今の時代の“稼ぐが勝ち”と同じ精神ではないだろうかと思ってしまった。幕末から明治にかけての動乱の時代相を描きたいのか?経営のあり方を指南したいのか?作者の意図は那辺にあるのだろうかと考え込んでしまった1冊であった。
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