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WEB本の雑誌
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今月の新刊採点
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【単行本班】2006年12月の課題図書
ナイチンゲールの沈黙
海堂 尊 (著)
【宝島社】
定価1680円(税込)
2006年10月
ISBN-4796654755
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
小松 むつみ
評価:★★★★
昔から、医者ものは好きでよく読んでいる。どんなに綿密に取材をしたとしても、やはりその道のプロには、かなわない。リアリティ、臨場感が違う。プロットの甘さも、文章のまずさも、その前には些細なことでしかなくなる。本物を知っていること、ましてや自分が本物であることは、それだけで大きな武器だ。もちろん、それだけに寄りかかっているわけにはいかないだろうが――。
さて、万年講師の精神科医と、厚生労働省の役人、小児科勤務の看護士という硬い職業の面子に、カリスマ歌手とそのマネージャーという、まったく異なった世界の人が加わり、物語が動き出す。ほかにも、入院中の子供たちや、警察関係者、もちろん病院が舞台だから、医者や看護士たちと登場人物も多いが、それぞれのキャラが立っている。病院が舞台だが、いわゆる医療ミステリーではなく、もっとファンタジックな要素を盛り込んだお話だ。
ミステリーとしては、事件の位置づけや動機が説得力に欠け、物語のキーとなるいくつかのアイデアの繋ぎのぎこちなさや、ちぐはぐさなど、気になるところはある。あまりにいろいろな要素を詰め込もうとして、かえって散漫になってしまったのかもしれない。だが、医者もの好きには、閉じられた世界をのぞき見るワクワク感と、それぞれ個性あふれる面々の活躍で、充分に楽しめた。
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川畑 詩子
評価:★★★
さすが現役のお医者さん。医療現場の緊迫感や仕事組織としての病院が細かく描かれている。新しい捜査方法を一つ導入しようとするだけで、警察、法医学、官庁それぞれの現場がどれだけ動揺するのか、とか看護師長と医師の丁々発止のやりとりからは、両者がタッグパートナーとして協力しながら、それぞれ独立した専門職として牽制しあっている感じが分かる。登場人物も一癖ある人ばかりで、個性豊か。ヒロイン小夜も、控えめな優等生ぶりの中に、訳あり感をうっすらとまとっていて、ミステリアス。
なのだが、事件部分がどうもすっきりしなかった。殺人動機は腑に落ちるが、肝心の謎である「どうしてそこまでしたのか」が読み取りきれなくて不完全燃焼だった。
むしろ、作品内で大人にも子どもにも人気の特撮ヒーロー物「ハイパーマン・シリーズ」。こちらに興味が。
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神田 宏
評価:★★★
前作『チーム・バチスタの栄光』(未読です)が面白いと言われていたので、期待しながら読み始めた。そうそう、ありがちな人物設定は、因習的な大学病院を揶揄しているのね。うんうん、網膜芽腫の患者は斜に構えた美少年ね。「アヴェ・マリア」を歌う美しい看護師ね。少しとぼけたDr.ね。あっ、待ってましたプルースト片手にたたずむ薄幸の白血病の美少女。知能明晰な警視正とエキセントリックで道化のような厚労省技官。すべてのステレオタイプは事件の特異性を際立たせるためでしょう?と思っていたが。がーん。嘘! こんなに凡庸なの。嘘や! 何かどんでん返しあるんでしょ?と思っているうちにラストまでいってしまった。勤務医の著者ならではのディテールの精緻さ、場面設定の巧みさ。それ故、残念です。『チーム・バチスタ』読んでからまた読み返します。それまでは期待感で評価は保留です。
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福井 雅子
評価:★★★★
大ヒット作『チーム・バチスタの栄光』の続編。東城大学医学部付属病院小児科病棟の看護師である浜田小夜は眼球の癌を患う子供たちを担当しているが、担当患者である少年の父親が殺され、警察や入院中の伝説の歌手を絡めて事態は思わぬ方向へ──という医療小説でもありミステリーでもある作品。
前作があまりに衝撃的だったせいで、第二作である本書はおのずと期待が大きくなり採点が辛くなってしまうが、細かいところまで丁寧にリアルに書かれていながら読者をぐいぐい引き込む面白さはやはり見事である。著者が現役の勤務医なだけあって病院内の描写がリアルだが、それだけにとどまらず総合病院が抱える問題やこの国の医療行政の問題点にまでズバズバ切り込んでいる点でも価値ある一冊である。強いてあげれば、二人の歌姫の「奇跡の歌声」に頼りすぎてしまい、そのエピソードだけが浮き気味のように感じられたことがやや気になったが、登場人物のキャラクターがとても魅力的で、患者の心の問題から看護師の恋まで幅広い内容を盛り込む構成力は素晴らしい。読者を引き込む語りも見事で、はやくも第三作が楽しみである。
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小室 まどか
評価:★★★★
「このミス」大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』での活躍が記憶に新しい、愚痴外来の“行灯先生”田口&厚労省の“ロジカル・モンスター”白鳥のコンビが挑む、メディカル・ミステリー第2弾。今回は、入院中の少年の父親が殺害され、院内捜査が行われることに……。
舞台は愚痴外来や手術室を飛び出し、おなじみの面々に加え、ナイチンゲールの歌声を持つ看護師、伝説の歌姫に、薄幸で美しい少年少女、新たにレギュラー入りが予感される警視正・加納などなど、登場人物も一気に倍々増。これに対応して、文体が三人称に変更になり、グッチー語りの醍醐味が失われた感と、人物の個性が前作ほど立ってこない嫌いはあるが、読み疲れしないテンポと読者の心を騒がせ躍らせる設定や仕掛けの連発の腕は健在。特に後半、白鳥の登場以降は目を離せない。
犯人の心の闇に力点を置きすぎ全体が暗い雰囲気に引っ張られたのと、場も人も作数を追わずに一時に広げすぎたのがやや気になるが、次作での調整に期待!
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磯部 智子
評価:★★★
大学病院、厚生労働省、警察庁、権力の三竦み……ならぬ面白すぎる構図。デビュー作にしてこのミス大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』から田口、白鳥が、加納を引き連れて帰ってきた。なんと素早いことか。前作の大きな特徴であり長所は健在で、人間関係ではなく人間そのものに力点を置いた上での人間同士の軋轢が、それは痛快な丁々発止の舌戦として描かれる。作家は現役の医師らしく今回も病院が舞台で、網膜芽腫で眼球を摘出される子供達のメンタルサポートを、不定愁訴外来・田口が依頼されるところから物語は動き出す。子供の親の一人が殺害されその捜査を骨子にして、伝説の歌姫、看護婦の小夜など病院内の人間模様が自由に様々な枝葉を伸ばし、その脱線こそが作品のもつ大きな魅力になっている。相変わらず面白いが、今回人物が多過ぎた為か、消化されないまま焦点がぼやけ、白鳥のデフォルメされ過ぎも気になった。又途中からミステリがどこかに飛び越えていったような流れになりあっけにとられたが、次回作に期待をつなぐことにする。
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林 あゆ美
評価:★★★★★
前作『チーム・バチスタの栄光』でもそうですが、海堂氏の書く作品は、読み出したら止まりません。周りの音をシャットアウトさせ、ものすごいページターナー度をもっています。
不定愁訴外来の田口医師も、物語的には相方の白鳥氏とのコンビは、前作ほど強調されていませんが、そのことに不満はありません。病院が舞台のエンターテインメントとしての展開にぐっと心つかまされました。小児病棟に入院する、網膜芽腫の14歳、牧村瑞人くん、5歳の佐々木アツシくん。彼らが病気とどう関わっていくか、親は子どもに何ができるのか、できないのか、しないのか――。感情をぐらんぐらん揺さぶられるのです。私もアツシくらいの年齢で病院に数か月入院したことがあり、あの特殊な、でも患者にとっては日常の空間の匂いを思い出したせいかもしれません。
それでもって、物語にぜったい欲しいぐぐっとくる言葉も、海堂氏は惜しげもなく書いてくれるのがキモです。今回は「悪意の血脈に時効も境界もないのです」にやられました。
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WEB本の雑誌
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今月の新刊採点
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【単行本班】2006年12月の課題図書