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失われた町
三崎 亜記 (著)
【集英社】
定価1680円(税込)
2006年11月
ISBN-4087748308
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
小松 むつみ
評価:★★★
今回は受賞を逃したが、直木賞候補となった作品。
「町の消失」というSF的設定だが、その「消失」をめぐり、喪失感や悲しみといった、心の痛みを抱えた人々が寄り添い、お互いの痛みを共有しながら、やがては、癒しがもたらされ、未来への希望と意欲を分かち合う。
こういう話を書きたいんだな、というのはよくわかる。彼がここに描きたかったものの核心は確かに伝わってきた。用意した素材も、選んだスパイスもよい。だが、なんとなくちぐはぐなのが惜しまれる。
しかし、一貫して生きることに前向きな、人々の姿勢には励まされるものがあった。
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川畑 詩子
評価:★★★★★
三十年の歳月をかけて紡がれた、望みを未来につなげるための命がけのリレーに引き込まれた。はじめこそ、「町の消滅」や「汚染」、「分離者」など突然出てくる独特の言葉に戸惑ったが、これがデビュー後初の長編だなんて、すごい。
まず「町」がいかに巨大で暴力的な存在かがたくみに描かれている。人々の悲しみを養分に力を蓄えて、いったんターゲットになった人は、消滅から逃れられてもその手にいつか絡み取られる。しかも「消滅」は徐々に準備されて、住民は逃げることもなく消滅を受け入れるという。呑み込まれそうなスケール!そんな相手に立ち向かうのだから妥協は許されない。目的のためなら手段を選ばない人体実験も重ねられるのだが、そこまでしなくてもとか、ひどいという言葉を呑み込ませる説得力がこの作品にはある。巨大で容赦ない暴力に、人はいかに立ち向かうのか。柔らかな植物の芽がアスファルトを突き破るような強さを感じました。
装丁にも★ひとつ。物語のイメージが伝わるような力作で、手に取ったときから面白そうな予感がしました。
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神田 宏
評価:★★★
高台に聳える使われなくなった「高射砲塔」。そのふもとの無人の街に「静謐で、温かく、それ故悲しみを湛えた幻の光。」30年ごとに起こる「町の消滅」。その人影絶えた町に人々の思念の残滓か、薄れゆく町の意思か「残光」が怪しく明滅する。「失われた町」と次の「消滅」を阻止しようとする人々の様を描いたファンタジー。
町が消えて住民がいなくなるというプロットは精緻に書き込まれているが、どうやら「戦後」の舞台の背景には「西域」や「居留地」などがあり、書かれない背景がもどかしい。『となり町戦争』でも同様で「戦争」が起こっていることは分かるのだが、戦闘は描かれていない。書かないことでイメージが喚起されることもあるのだが、物語の背景が書割のようなイメージの羅列になってしまい、有機的につながり物語を立ち上げるまでには至っていない。まるでゲームの場面が切り替わるかのようなやや安易なイメージの並列は、個々のイメージが個性的なだけに残念だ。最後まで物語が動き出すその躍動感は無かった。
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福井 雅子
評価:★★★★★
30年に一度起きる町の「消滅」によって住人たちが失われる。意思を持った「町」のコントロールによって抵抗できずに消滅してゆく住人たちの思いと、大切な人を失った悲しみを抱えて生きる残された人々の思い。理不尽に失われる命と残された人々の喪失感を壮大なスケールで描いた作品。
SF、恋愛、喪失と再生、「理不尽」に満ちた社会……収拾がつかなくなるのでは? と心配になるほどいろいろな要素が盛り込まれていて、とても濃厚な物語である。現実の世界とは似ているけれども違う「別の世界」が、細部までよく計算されて創られており、著者の構成力の高さがうかがえる。とても力のこもった作品であると思う。
「明日失われるとしても、その瞬間まで思いを伝え続ける」「理不尽に失われる命は必ずある。それでも人は希望を持って生きるべき」というのはうなずける。だが、「消滅」する住人があまりにも静かに淡々とその運命を受け入れる姿や、「町」の汚染を避けるため「消滅」に関係する人々を避け無関心を装う「その他の人々」の姿は、読んでいてとても怖い。それでも少数の「抗おうとする人々」がいることで少し救われるが、この物語の中心は、あくまで「失われる人々の思い」と「大切な人を失った人々の思い」に置かれているようだ。丹念に創り上げられた舞台に盛りだくさんのストーリーをちりばめてあるだけに、思いを受け取った人がそれをどう活かしていくのか、深い悲しみを抱えた人がその悲しみをどう乗り越えていくのかなど、もう少し続きを読みたかった。このあと、町の消滅を食い止めるための戦いがどうなってゆくのかまで見せてほしいと思うのは贅沢だろうか。
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小室 まどか
評価:★★★★
30年に一度くりかえされる、町の消滅。住民たちは町の意思に操作され、自らが、そして愛する人が失われていく運命を知りつつ、外部に知らせることもできず、何事もなかったかのように消えていく。消滅にかかわることは、汚染として忌避される。
これに抗おうとする人びとの戦いが主軸だが、特徴的な「エピローグ」と「プロローグ」に象徴的にあらわれているように、消し去ることのできない「思い」を受け継いでいく彼らの物語には始まりも終わりもない。『となりまち戦争』が賛否両論だったのでなんとなく敬遠していたのだが、構成のうまさに素直に引き込まれ、しっとりと悲しい登場人物たちの心の綾に触れることができた。
SF的な非日常を描きながらも、近しい何かを髣髴とさせる設定や、各章のタイトルの凝ったつけ方、いろいろな意味で時空を超える「音」、そして「光」を、全体を貫くキーとして使っているあたりがおもしろい。
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磯部 智子
評価:★★★
デビュー作『となり町戦争』もそうだったが、現実的な共感にも乏しく、人物描写、特に女性の造形には、首を傾げる。かといってそのまま無視できないのは、やはり前作同様。30年に一度起こる町の消滅、失われるのは住民たち。先ず町という単位は非常に小規模であり町には意思あること、消滅に至る理由が不明だから理不尽であること、そしてそれを話題にすることさえ禁じる上意が存在すること、が描かれている。ここから町の消滅を食い止めようとする消滅管理局の人々と、大切な人を失った人々の痛みを読み進めながら、この消滅の意味するものは何かと考え続けることになる。もし町を風土と考えた場合、人の消滅は飲み込まれていく個人であり、そこから逃げ出すことはできないと言う盲信は断ち切りがたく、見えないそれは、どんな事態に陥ってもそうであることが一層恐ろしく感じる。平穏な日常の中で、大勢に抗う意識を持ち続けることは難しい。でももうそこにも消滅の足音が近づいてきているのかもしれない。人間一人一人の意識の集積が町であり国であるなら、それと同じ数の責任もあり、消滅が自分の問題だと受け取る。残念なのは途中から、ちょっと唐突な別の流れが本筋に上手く合流せず、散漫な印象を持ったことだ。
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林 あゆ美
評価:★★★
その町では30年に一度、「消滅」が起こる。町という器だけ残り、住民は忽然と消えてしまう。どうしてそんな事が起きるのか、たまたま家族が町の内外で離れた所にいたならば、そのまま片方だけがいなくなる。残された人たちは、悲しんではいけない、表だっては。そうしないと、町にのみこまれてしまうから。消滅管理局は「消滅」の後始末をすみやかに行い、影響を限りなく少なくしている……。
町そのものが生きている物体のように描かれている。では「消滅」は町の気まぐれなのだろうか。多くの人を瞬時に消しているにもかかわらず、その痕跡すらも「消滅」させなくてはいけない管理局。大事な人をなくして、悲しいという気持ちを出すなという無理を強いていけば、どこかにゆがみは出る。そのゆがみを、静かに抑えた筆致で物語はすすむ。理不尽だけですませないために動く人の気持ちの熱さが、読後に残った。
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