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夜は短し歩けよ乙女
森見 登美彦(著)
【角川書店】
定価1575円(税込)
2006年12月
ISBN-4048737449
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★
大学のクラブの後輩「黒髪の乙女」に「先輩」が恋をし、天然キャラで素直な彼女と純情でややズレてる先輩の恋の回り道(?)にユーモラスな友人知人たちが絡んで、珍事件が続発する。京都を舞台にした二人の恋が、「黒髪の乙女」と「先輩」によって交互に一人称で語られる。
ユーモア溢れるストーリーも面白いが、独特のリズムを持つ独特の語り口と、ユーモラスで魅力的な人々が織りなすちょっと不思議なファンタジック・ワールドに浸るのがこの作品を読む醍醐味である。夜の先斗町に満艦飾の不思議な三階建て電車で登場する李白さんなどは、どこか『千と千尋の神隠し』を彷彿とさせ、宮崎駿の世界に通じる「かわいくユーモラスで独特の味わいを持つ極上のファンタジー」に仕上がっている。
ここまで独自のスタイルを確立していて、しかもそこで表現される世界がこんなにも魅力的であることに驚く。このスタイル、この世界に馴染める人にはたまらなく魅力的な作品だと思う。
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われら猫の子
星野 智幸(著)
【講談社】
定価1680円(税込)
2006年11月
ISBN-4062136953
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★
家族という最も身近な存在であっても、どのくらい解りあって暮らしているだろうか……という家族の間にある「距離」をテーマにした表題作をはじめ、日常のなかにある違和感や人間の内面にある闇などを題材に星野流のデフォルメや彩色を施した作品11編を収録した短編集。
星野智幸というアーチストのモダンアート絵画の個展、という印象の短編集である。あるものは極彩色、あるものは青一色、テーマが何であるのかすぐにはわからない抽象画もある。鑑賞する者は感覚的に強い刺激を受けつつ、このテーマは何だろうと想像する楽しみも味わえる。そうして作品を一通り巡ると、星野智幸というアーチストの世界が見えてくる──。
独特な色合いをもつ作品群だが、読後に強い印象を残すものが多い。その色合いがかなり個性的であるがゆえに読者によって好みが分かれるかもしれないが、質の高い作品集であることは確かだと思う。
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失われた町
三崎 亜記 (著)
【集英社】
定価1680円(税込)
2006年11月
ISBN-4087748308
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★★
30年に一度起きる町の「消滅」によって住人たちが失われる。意思を持った「町」のコントロールによって抵抗できずに消滅してゆく住人たちの思いと、大切な人を失った悲しみを抱えて生きる残された人々の思い。理不尽に失われる命と残された人々の喪失感を壮大なスケールで描いた作品。
SF、恋愛、喪失と再生、「理不尽」に満ちた社会……収拾がつかなくなるのでは? と心配になるほどいろいろな要素が盛り込まれていて、とても濃厚な物語である。現実の世界とは似ているけれども違う「別の世界」が、細部までよく計算されて創られており、著者の構成力の高さがうかがえる。とても力のこもった作品であると思う。
「明日失われるとしても、その瞬間まで思いを伝え続ける」「理不尽に失われる命は必ずある。それでも人は希望を持って生きるべき」というのはうなずける。だが、「消滅」する住人があまりにも静かに淡々とその運命を受け入れる姿や、「町」の汚染を避けるため「消滅」に関係する人々を避け無関心を装う「その他の人々」の姿は、読んでいてとても怖い。それでも少数の「抗おうとする人々」がいることで少し救われるが、この物語の中心は、あくまで「失われる人々の思い」と「大切な人を失った人々の思い」に置かれているようだ。丹念に創り上げられた舞台に盛りだくさんのストーリーをちりばめてあるだけに、思いを受け取った人がそれをどう活かしていくのか、深い悲しみを抱えた人がその悲しみをどう乗り越えていくのかなど、もう少し続きを読みたかった。このあと、町の消滅を食い止めるための戦いがどうなってゆくのかまで見せてほしいと思うのは贅沢だろうか。
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Run! Run! Run!
桂 望実(著)
【文藝春秋】
定価1680円(税込)
2006年11月
ISBN-4163254501
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★
父親からランナーとしての英才教育を受け、将来を嘱望される天才ランナー優は、箱根駅伝すら通過点と言い切り、才能の無い仲間など足手まといだと公言して憚らない。ところが、自分の才能は意図的に人の手で作られたものではないかという疑いを抱き、やがてそれが確信へと変わる中、アスリートとして大きな決断を迫られる。
「究極のドーピング」(それが何かは敢えて書きませんが)という大きくて重いテーマを正面から描いている点が新鮮であると同時に、アスリートとしての成功や人間的成長を軸にしたいわゆる青春スポーツ小説という枠を飛び出して「何のために自分は存在するのか」という人間としての根源的な問題に踏み込んでいる点で、奥の深い作品となっている。「何のために走るのか」ではなく「走るために創られた」自分。親に人生のレールを敷かれるどころか、自分の存在理由まで決められてしまっている主人公・優が、この先どうやって生きていくのか、父を許せる日は来るのか、読み終わってもそんなことが気になってしまうほど考えさせられる作品だった。
軽快な青春スポーツ小説を期待して読むとやや重いが、読み応えのある佳作だと思う。
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モノレールねこ
加納 朋子(著)
【文藝春秋】
定価1600円(税込)
2006年11月
ISBN-4163255109
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★
1匹のノラ猫を通じて互いに見知らぬ相手と短い手紙をやりとりする僕とタカキ。やがて猫が車に轢かれて死に、首輪にはさんだ手紙のやり取りも終わるが、大人になった二人は再び出会い──という表題作を含む8つの作品が収められた短編集。
どの作品も、中心にあるのは「大切な人への想い」である。淡々とできごとや登場人物の行動が描かれていき、読み進めていくうちに「大切な人への想い」が静かに浮かび上がってくる。劇的な出来事や強い想いを直接描いているわけではないが、メッセージがストレートに伝わってくる。そして、読後は静かで暖かい気持ちになれる。
文章も構成も上手く、短編としてのリズムやキレもある秀作だと思う。心温まる話でありながら、わざとらしい感じがせず嫌味がないところも好感が持てる。寒さが身にしみる夜にオススメの一冊。
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虹色天気雨
大島 真寿美(著)
【小学館】
定価1365円(税込)
2006年10月
ISBN-4093861765
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★
幼なじみの奈津の夫がある日突然失踪し、市子は夫探しに忙しい奈津から一人娘の美月を預かる。友人のことを静かに気にかけつつ余計な介入はしない友人たちの交流と、失踪事件の思わぬ展開が、市子のかつての恋愛を絡めて描かれる。
近すぎず遠すぎずのほどよい距離感。余計な詮索はせず、お互いの領域を尊重しつつも相手の気持ちにそっと寄り添って支えあう関係。微妙なバランスの上に成り立つ大人の女の心地よい人間関係を、この物語は実に上手く描いている。元気づけるためにわざわざ食事に誘ってくれたのか、それとも同情にかこつけて単に一緒にゴハンが食べたかったのか判断が難しいところ……と主人公が感じるほど、ここに登場する友人たちの「さりげなさ」は鮮やかだ。そんな魅力的な友人たちとの間に流れるほんわかした空気が、読んでいて心地よい。ちょっとぬるめのお風呂にのんびり浸かってほのぼのした気分になる……そんなイメージの一冊。
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マグヌス
シルヴィー ジェルマン(著)
【みすず書房】
定価2730円(税込)
2006年11月
ISBN-4622072556
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★★
マグヌスという名のクマのぬいぐるみを肌身離さず持ち、5歳で記憶喪失となった男の子の、苦悩と波乱に満ちた人生を描いた作品。ナチス党員としてユダヤ人虐殺に手を貸した父親は敗戦後に逃亡生活の末自殺、生活に疲れて希望を失った母親もまた病死し、伯父に引き取られてイギリスに渡った後メキシコ、アメリカと転々としながら成長する主人公は、やがて、自分の過去が嘘と作り話で固められたものだったことに気づく。そして、自分はいったい誰なのか、どこから来たのか、真実を求めて苦悩の旅を続ける。
戦争がどれほど残酷でどれほど人間を踏みにじるものかを、この作品は静かに語りかけ、目を覆いたくなるような戦場の写真と同じくらい強い印象を私たちの心に残す。一般市民に多くの血を流させるだけでなく、後々まで二重、三重に人を傷つけ苦しめ続けるという悲惨な現実を描くことで、戦争の愚かさを浮かび上がらせ、静かに「反戦」を訴えることに成功している。また、淡々と「断片」を積み上げる手法は、押し付けがましくなく、かえって胸に響く。とても感動的で素晴らしい作品だと思う。同時に、この作品を「高校生ゴンクール賞」に選んだフランスの高校生たちもまた、素晴らしいと思う。
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10ドルだって大金だ
ジャック・リッチー(著)
【河出書房新社】
定価2100円(税込)
2006年10月
ISBN-4309801013
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★
銀行の金庫の中のお金が10ドル多い! この10ドルの計算違いに心当たりのある人物が次々と現れ、果たして真相は? という表題作をはじめ、ユーモア溢れる短編ミステリ14編が収められた上質の短編集。
財産目当てに結婚した男が、妻を殺害しようとあの手この手と策を練るが結局は……という話や、殺害した妻の死体を隠すためのとっておきの場所とは? という話など、どれもアイデアとプロットの組み立てが素晴らしい。読者を飽きさせないだけではなく、読んでいてニヤリとするような粋なひねりが随所に光っている。さらに、そっけないほど無駄のない軽快な文章が、計算されたストーリー展開の質の高さをかえって際立たせる。派手なストーリーではないし文章もシンプルだが、渋い魅力を放つ短編集である。
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