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大病の後に、お化けさん(この響きが実にいいです)が見えるようになってしまい、彼らを成仏させようとして、三十年前の「事件」の謎を探ろうとするおりんちゃん。その過程で、見ずに済ませられるならそれに越したことのない、人間の汚い心根や醜い所業の数々を目にすることになります。宮部さんの語り口調の上品さ、優しさによって緩和されているものの、描かれている内容は、かなりシビアでして。
でも、そんな状況であっても、見えてしまったものから目をそらざず、時に大人顔負けの態度と言動をしてのける彼女を見て、俺は「大人だー。この子ほんとしっかりした大人の女だよー」と感嘆しきりでした。
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